2008-09-23

背中で語る /Yukon2008


ユーコン川の流れのような、ゆったりといつも穏やかなJoeは、気づけばここ、ユーコンに辿り着き、気づけばもう18年も川のガイドをしているという人物で、今回の旅の、私のなかでのメインの一つは、彼との再会だった。

2005年に「右手治してもう一回、今度は秋に戻ってくるので一緒にまた旅してね」と、船の上でかわした約束がようやく果たされることになった今年、少しだけ自分の技術も知識も深めた今年、彼のガイドで旅できることに、半年前から静かに喜んでいた。



パドリングやトレッキングの技術とか
ウィルダネスでのキャンプ技術とか
インタープリテーションに必要な動植物地質地理歴史への知識とか
野外料理の腕とか
焚き火の横で奏でるギターの調べとか、

そんなものが「ガイド」には必要だというならば、身につけている人は探せばいくらでもいるだろうけれど、(いや、Joeはそのどれも文句なしにすごいのだけれど)


彼のように、存在自体が北の大地のような、何も言わずとも、態度で背中でユーコンを体現してしまうような人は少なく、でもそれは、上に挙げたどんな技術よりも大切なポイントだよな、と思うのだ。

以前つくったアラスカ・オーロラの企画、狩人キース爺さんや犬ぞりパット母さんもそうなのだが、北の大地は、「人」が十分に濃いので、この地に根付いている人たちと、どれだけ旅の時間を共有できるかによって、旅の印象は大きく変わる。ぜったいに。


というわけで、今年のユーコンは、Joeの背中を通して、より一層、深い旅となったのだった。

2 comments:

Anonymous said...

今、JOEと食事をして帰ってきたばかり。このサイトを見せたら喜んだでしょう!今から、アドレスをメールしておきます。

JOEは、13年前に私が初アシスタントでガイドに出た時からの師匠であり友人。彼のスタイルがBettyさんの波長に合うこと、とても嬉しく思います!

Ryoko Betty, Aosaki said...

今まで一緒に旅してきたガイドたち・・・ジョーもセインもトラちゃんもフィリップも、ガイドのチョイスは、SRの持つ大きな魅力のひとつ、ですねぇ。ほんとに。