2009-12-02

おとなの宝探しは自由と責任を前提に(ロゲイニング)


▲Juni提供。わたしは宝探しに夢中で、この日は写真どころじゃなかった。

このたび、夢中になりそうな、新しい遊びをみつけました。

1.森を走るのが好きだ
2.山を登るのも好きだ
3.道路を走るのはキライじゃない
4.知らない道を歩くのが好きだ
5.負けず嫌いだ
6.パンクチュアル、ということばが好き
7.チームで動くのは嫌じゃない
8.こどもの頃、わざと知らない小道に入って迷子になってみた
9.こどもの頃、宝の地図を書いて(眺めて)わくわくしていた

という人(=それは私、)にぴったりのこの遊びは、「ロゲイン」という、不思議な名前がついている競技。

詳細は協会の案内ページに譲るとして、要約すれば、時間内(今回は5時間)に、宝の地図とコンパスを両手に、目の前に広がる景色と睨めっこしながら、山の上や谷の中に広く隠されている宝の山(チェックポイント)を、なるべく沢山探しておいで、というレース。

チーム制なので一人では参加できないし・・・と、ロゲインの名前を知り、興味をもってから半年、先日、機会あって、ようやくレースに参加することができ、富士山の麓を走り回ってきた。まだ興奮さめやらぬ今日は、「初」体験の感想を。



与えられる地図は、レース開始の10分前。そのわずかな時間で、宝物のザクザク度(=ポイント数)を計算しながら、ついでに、上り下りのルートの厳しさも見極めながら、その日のルートを効率的に考える。ここで求められるのは、冷静な情報処理能力。無闇に走っても、いいポイント数は稼げない。

実際にレースが始まると、宝の地図との睨めっこが続く。
地図読みは・・・、アラスカで鍛えられたとはいえ、あの広大で、ある意味、とても分かりやすい地形のなかを歩くのと、里山で、生活道の入り組んだ場所とは、どうも勝手が違っている。1/30000(1センチが300m、の縮尺)地図と睨めっこしながら、1日中、「はい、次3mm・・・、ええっと、90m進んで左ね」「あ、この牧草地、3本だけ杉が生えてるね・・・おお、地図にも、ちゃんと針葉樹林マークが・・・」と、本当に地図を「読み込む」という体験はとても新鮮。

1日そんなことをしていたら、すっかりと、地図の1センチはタラタラ走ると2分、という感覚が、頭でなくからだで理解できるのが嬉しい。1枚の地図が持つ情報量の多さに圧倒され、地図好きの心をくすぐられる。

さらに、これは、一人ではなく、2~5人のチーム競技というのも絶妙なスパイス。今回、急遽チームを組んだわたしたち4人組は、元登山部がいて、トライアスリートの体力勝負の若者がいて、ムードメーカーのいつも微笑みを絶やさない女性がいて、ただ鼻息荒い(けど体力が追いつかずにバタバタ走る)私。それぞれのよいところを上手に引き出し、弱いところをカバーしあいながら進む時間は、ソロで走っていては味わえない楽しさ。

初めてだし、トップを狙うわけではないため、常に全速力で走り続けるわけではない。ジョギングしながらおしゃべりを楽しみ、目の前に広がる真っ白い富士山を堪能し、どこまでも広がる牧場の真ん中を走りながら大きく深呼吸しては、牛の香水を全身の細胞にくまなく巡らせる。普段なら見過ごす滝を眺め、お楽しみポイントで待ち受ける豚汁は、つい、2杯目をおかわりして優雅なランチタイムにしてしまった。


参加目的の自由さも新鮮。本気のレースモードで走り回るのもあり、親子・カップル参加でピクニック気分もあり、普段のジョギングや山登りの目先変えたバージョン、という位置づけもあり。自由(時間をどう使うか)と責任(ルートがないので、地図見て自分で判断しないといけない)が伴うレースって、普通のマラソン大会では味わえない。

200組が参加していても、走り出す方向はバラバラで、周囲に惑わされることがなく、条件が許せば、道を行かずとも、直線近道ルートを選んで藪漕ぎも自由、というのは、人の後をついていくのがキライな私には、レースなのに、こんなに楽しくていいの!?と大興奮。時折すれ違う他チームとは、エールを送り合い、ときには、一緒になって宝探し。

今回の結果は・・・。
山のてっぺん好きなわたしが、「尾根を直登し、頂上のポイント高い宝物を探しに行こう」と主張、道なき道のルートで予想以上の時間をくってしまい、制限時間に43秒遅れてまさかの減点を喰らうが・・・、まあ、楽しく走れたので、ヨシ。満足な時間だった。


このブログをチェックしてくれている走り好きの皆様、これは、相当に楽しい遊びです。地図読みの練習兼ねて、ぜひ次はご一緒に!(ただし出るからには本気モードで宝探しします)

(海外バージョン出てみたいぞ。カナダの大会調べるか?)







8 comments:

らぐじ~ said...

ホンマにじっとしてへんなぁ。次々と新しい遊び見付けて…。

auroraneko said...

GPSバージョンならカナダでも盛んだそうですが、ロゲイニングはどうなんでしょう?

カナダででしたら、「ハイ、ハイ、ハイ」参加したいです。(笑)

Ryoko Betty, Aosaki said...

7月にウィスラーであるらしい・・・

auroraneko said...

ホントだ、ウチの近所でもあるじゃないですか~。;-)

http://www.naoc2010.com/2010_North_American_Orienteering_Championships/Welcome.html

Ryoko Betty, Aosaki said...

カナダのほうが盛んらしいですね。ますます気になる。

ところで、さらにヤバいゲームを教えてもらいました。GPS使った世界規模宝探し ジオキャッシュ。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%AA%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B0

auroraneko said...

ジオキャッシュは学校とかでもやっていると聞いたことあります。

私のGPSは去年車上アラシで盗まれたので地図だよりです。

Sweet River said...

これってさ、オリエンテーリングとどこが違うの?ポイントの出し方が違うだけ??

Ryoko Betty, Aosaki said...

オリエンテーリングの一種なんだけど、ポイントの取り方の作戦立ての面白さ、チーム戦であることでしょうか・・・

http://www.rogaining.jp/about_rog.html

「競技は、先にも書いたように、大規模なオリエンテーリングと考えてもらえれば、おおよそのイメージはつかんでもらえるでしょう。ただし、大規模さは、並ではありません。いわゆるフルロゲインは、制限時間が24時間です。この24時間に地図上に示されたコントロールに付与された得点をどれだけ多く集めるかが勝敗の鍵となります。地図の範囲も広大で、フルになると新聞1面ぐらいある大きな地形図(2万~3万分の1スケール)に万遍なくコントロールが配置されています。各コントロールには、異なる得点が付けられており、順位は獲得した得点順となるため、どのコントロールを取るか作戦を立てることが重要となります。なお、優勝者でも時間内に全てのコントロールを取ることは難しいです。」