2009-12-22

走る理由

5時間走り続ける

なんて、酔狂にもほどがある。

しかも、都内のどまんなかの排ガスで濁った空気の中、1周5キロのコースを、ただただ、ぐるぐるぐるぐると。最初は左の方にあった影が、どんどん短くなっていき、気付けば右側に移動するまで、ずーっと、足を動かし続ける、なんて。

今のわたしの走力の場合、ゆっくり走って1周5キロを30分、5時間あれば、10周、50キロを走ることになる。フルマラソンより長いじゃないか、何が楽しいんだ、落ち着けよ、と、冷静で理知的な自分が止める。と、もう一方の祭り好きの自分がでてきて、

いいじゃんいいじゃん、せっかくの機会なんだし、やれよやれよ、

と、耳元でうるさく囁き続けるものだから、

来月、100キロマラソンに出ようとしているチームの最終調整トレーニングに便乗し、「5時間走」を体験してきた。(私の場合は50キロだが、このチームの速い人たちは70キロ走る。・・・70キロって、日本橋から東海道を歩いたら、もう少しで小田原、って距離だ。どうなんだろう・・・)。


走らない人に、走ることの楽しさを伝えるのは難しいし、伝えてみても届かないから、あまりここで語りたくはない。が、今回の、景色も空気も全然よろしくない、ティファニーとかシャーベットとかのご褒美もなにもない、ストイックすぎる5時間走の醍醐味が、いったいどこにあるかといえば、

「心の筋肉を強くする」、じゃないかと思うのだ。


快適な負荷を超したときにやってくるのは、足、関節、といった、からだの悲鳴だけではない。気持ちが、いきなり、グラグラしだす。今回も、予想通りというか、40キロ走っていい加減疲れた頃、案の定、ヤツが姿を現した。弱気な声。フムーーー、もう疲れたよ、やめたいなあ、無理じゃないかなあ、もうこの辺で十分じゃない?と、ヤツは叫びだし、私のやる気を容赦なく削いでいく。そう、普段は隠れているこの「ヘタレ自分」と向き合える、貴重なチャンス。

コイツと正面から対峙し、心折れないように「強気自分」が応戦する、この心のなかの葛藤。戦う機会が多いほど、「強気自分」が力をつけ、「ヘタレ」を退治してくれる。そして、私は、簡単には心がポッキリ折れない強さを身につける。この強さは、走るときだけじゃない、普段の生活のいろんな場面で活躍してくれる(してほしい)力だから。


どんなときも、弱気な自分に惑わされない、心の強さを持てるように。

2 comments:

kotani said...

ヘタレな私にはずしっとくる内容でしたわ〜。まずは心の贅肉をどうにかすべくがんばりますわ。またどこかで合いましょうね!!

らぐじ~ said...

私の場合、1周5kmを30分のペースだと、2周で終わりますが…。