2009-06-30

【イベント】 7/2(木)アラスカ極北飛行上映会


「ファイアーウィードって、知ってるでしょ。アラスカの州の花。あれって、本当に、火事の後に咲くんだよ。道路を挟んで片側だけが、見事にピンク色の絨毯なんだ」

今回上映するDVDの作者、Rickyは、いつも、私が地面から這いつくばってみている景色を、違う視点でこの数年見続けてきている人。この夏も、再び、あの大地の空を舞う。

翼を持って、自由にアラスカの空を飛んできた彼の話はいつも面白く、今回本人を連れてこれないのは残念だけれど、でも、まず、一緒に新作DVDを観ながら、極北の原野に想いを馳せましょう。

いつもより開始時間は遅い19時30分。無料上映だし、さっさと残業終わらせて、新宿へ!


たったひとつの風景で、人生は変わるかもしれない  
~アラスカ極北飛行 DVD上映会~
7月2日(木) 19:30~21:00  @新宿御苑「地球探検隊」オフィス
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http://www.expl.co.jp/event/yube/index.html#0702




夏のアラスカ、秋のユーコン。
ツアー引きつづき募集中(ワタシ的にはこっちが本題だ)


氷河を海から眺めたい! 夏のアラスカ シーカヤックキャンプ~ 
シーカヤック、原野キャンプ、氷河、海の野生動物 

日本発着最短日程:8月9日(日)~8月16日(日) 8日間

氷河を間近にみながら時速5キロで静かに進むシーカヤックは、海と、海に住む動物を一番身近に感じられる移動手段です。「鯨の声は、耳からでなく、体全部で聞こえるんだ」と経験者の言葉。海から、アラスカの自然を満喫しませんか?




カナディアンカヌーで下る秋のユーコン原野160kmの旅
~原野(Wilderness)でのキャンプ体験、カヌー、焚き火、釣り、川に映るオーロラ~

日本発着最短日程:9月5日(土)~9月13日(日) 9日間
ユーコン河カヌーは、時計を外してご参加ください。時速10キロの河の流れに身を任せ、カヌーの上で飲むコーヒーはこのうえなく贅沢な時間。1週間、文明から離れたキャンプ生活は、野生の勘を思い出させてくれます。

Long Trail Run Trip (信越トレイルをゆく)







友が、「踏破者リストの1ページ目に名前を載せたいのだ」と言う。バックパッカーのなかでは(多分)有名な、新潟~長野の県境沿いにある関田山脈をつないだ、80kmあまりの信越トレイル

6月初旬、雪解けを待って、出発。せっかくなので、歩かず走る、3日間の旅。

ブナの森が持つ、心落ち着く優しい雰囲気は、何でだろう。春がやってきたばかり、長い冬から目覚めて嬉しい植物たちが出す「気」に助けられて、楽しく走った。

Shinetsu Trail
90.1km-long run trip
04Jun.-06Jun. 2009

(踏破者リストは、無事48番目に載りました)

100k? 100k!

「彼女、そろそろリタイアだと思うから、よく注意しておいて」

50キロ地点で、前任者から引き継いだとき、そう言われた。

100キロウォークイベントのボランティア。最終チームの後ろについて安全管理しながら歩いている私は、疲れ果てた背中で、杖をつきながら歩く女性の後ろを、制限時間を気にしながら歩き始める。

途中のチェックポイントで見せてもらった足の裏は、慣れない距離に悲鳴をあげてマメだらけ。絆創膏とセカンドスキンなどで応急処置するも、制限時間ぎりぎりで歩いている彼女の、体調や疲れ具合からみたら、どうしたって15時間後、数十キロ先のゴールしている姿は思い描けない。追い打ちをかけるように、2日目の夜は、非情にも、冷たい雨が疲れた肩に降り注ぐ。

いったいどこまで頑張るかな、いつリタイアするのだろう、と、失礼なことを思いながら、その背中を見守っていた。


だけど、

だけど、

彼女は私のそんな気持ちを軽く裏切った。
彼女の頭のなかには、ちゃんとゴールが見えていたのだ。

「ここで泣くか、ゴールで泣くか」「大丈夫。大丈夫。」と自分に言い聞かせながら、48時間、歩き続けて、歩き続けて、金曜日の朝から数えて二回目の朝に、雨の中、ずぶ濡れの身体で、しっかりとゴールを踏んだ。





人間の限界は、自分が思うところよりもずっと先にある。


と、書いてしまえば陳腐このうえないけれど、彼女の無言の背中に、その事実を教えてもらった、今年のトレイルウォーカー。




受け止めた彼女の「力」があまりにも大きくて、
「私の限界値はもっと先にある~」と鼻息荒くなったその瞬間、

信越五岳 100キロ トレイルランニングレース 2009.9.

をクリック(申込み)してしまい、ただいま後悔中。
人は、なんであんなにツライ時間に、自ら進んで、身を置くのだ?
(ぺーサー&サポーター&道連れランナー 大募集中)



オックスファム・トレイルウォーカー

■自分の体力への挑戦 :標高差1200mの100km(小田原~山中湖)の行程を48時間以内で完歩。
■仲間とのかけがえのない経験:4人1チームで参加。事前のトレーニングからイベントの当日まで、励ましあってゴールを目指します。
■貧困から立ち上がろうとする人々への支援:1チームあたり12万円以上の寄付金を集めます(ファンドレイジング)。

今年は2009年5月に開催済み。


ワタシは、2年前は参加者として、ここ2年は、「ラストウォーカー」としてボランティアで参加中↓

DENALI 2006




▲写真提供:Thanks to いけぽん


北米大陸最高峰、デナリ(マッキンリー)山の登攀話を聞き、昼下がりの静かなカフェの一席で、「うぅぅぅ」とひとり身もだえする私。今もまた、写真をみて興奮。

2009-06-27

When the road ends, our real adventure begins...

キンコーンカンコーン。
地理の時間です。

アラスカ:日本の国土の4倍
ユーコン:日本の国土の1.3倍

限られた想像力をつかって、その大きさを頭に思い描きながら、この地図をみてください。赤い線が、(未舗装も含めて)道路。車で行ける場所なんて、本当に限られたもの。

何度かこの地を訪れるうちに、道路のその奥にある景色と出会いたくなりました。100Lのバックパックに、数週間生きるのに必要な荷物をエッコラセ、と担いで入ってみると、やっぱりね、と、想像以上の時間が、そこには広がっていたのです。

だから、皆さんにも、この場所は、車を降りて、その奥へと進んでほしいのです。

歩いて。
カヤックで。
カヌーで。

少し値段の高いツアーは、安全をお金で買うから。でも、きっと忘れられない1週間という時間をお届けできる自信があります。

私が30キロ超す重たい荷物を担いで歩いているのに、私の友達は、ズルイことに、まさかの翼をもっているので、空からアプローチする、という、反則技を使って、この原野を満喫しています。ズルイズルイ。羨ましい。

まずは、来週、空から、極北の大地を感じてみてください。



たったひとつの風景で、人生は変わるかもしれない  
  ~アラスカ極北飛行 DVD上映会のご案内~

■7月2日(木) 19:30~21:00 地球探検隊オフィスにて。   
19:00 受付開始  
19:30 上映開始(約43分)
20:20  おまけのツアー説明会

ブッシュパイロット湯口公さんが、自分で飛行機の操縦桿を握りながら撮影したアラスカフライトDVDです。映像シシュマレフ村、ブルックス山脈、北極海、ベーリング海、氷河地帯、オーロラなど ハスキーによる空撮スライド、飛行シーンの動画映像、地上だけでないオーロラの空撮シーンなど珍しい情景が満載です。





で、残念なことに翼を持っていない私達は、シーカヤックとカヌーで、道路のその奥へと進んでいきましょうー!


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■氷河を海から眺めたい! 夏のアラスカ シーカヤックキャンプ
~ シーカヤック、原野キャンプ、氷河、海の野生動物 ~

氷河を間近にみながら時速5キロで静かに進むシーカヤックは、海と、海に住む動物を一番身近に感じられる移動手段です。「鯨の声は、耳からでなく、体全部で聞こえるんだ」と経験者の言葉。海から、アラスカの自然を満喫しませんか?


日本発着最短日程:8月9日(日)~8月16日(日) 8日間
>> http://www.expl.co.jp/shugaku/kikaku/09/ad_s/index.html



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■カナディアンカヌーで下る秋のユーコン原野160kmの旅
~原野(Wilderness)でのキャンプ体験、カヌー、焚き火、釣り、川に映るオーロラ~

ユーコン河カヌーは、時計を外してご参加ください。時速10キロの河の流れに身を任せ、カヌーの上で飲むコーヒーはこのうえなく贅沢な時間。1週間、文明から離れたキャンプ生活は、野生の勘を思い出させてくれます。

日本発着最短日程:9月5日(土)~9月13日(日) 9日間
>> http://www.expl.co.jp/shugaku/kikaku/09/yxy/index.html

2009-06-24

Glacier Blue

photo by (c) sunny cove

最近、寝ても覚めてもこのイメージばかり脳裏に思い描いてる。

氷河の青さ・碧さ、深み、大きさ。人間の一生である「100年」という時間単位を遙かにしのぐ、大きな大きな地球の時間に思いを馳せては、その長さに呆然となり、ははあ、とひれ伏す。

あの青色に会いにいくだけでも、アラスカ行きの飛行機に乗る価値はあるだろう。



同行者引きつづき大募集中↓

「夏のアラスカ シーカヤックキャンプ 8/9発」
~ シーカヤック、原野キャンプ、氷河、海の野生動物 ~

2009-06-23

ナマケモノpart2

ときおり読んでいる田口ランディ氏のブログより。
ナマケモノ自分を戒めるためのメモ。

要約すれば、「見る前に、跳べ」だ。考える前に跳んでみれば、意外と、なんとかなる。(が、しかし、人には無鉄砲と言われる。)



「・・・人間がいかに自己暗示をかけて生きているかがよくわかる。もちろん、大人でもそうだ。「がんばらなくちゃ」という自己暗示は「がんばれない自分」を保証してしまう。「がんばってるぞ」でいいのである。「やらなくちゃ」という自己暗示は「やれない」自分を保証してしまう。だからやらなくちゃ、やらなくちゃと思うほどやれないのである。「やりたい」「~したい」もやれない自分が前提である。だから「やりたいんだけど……」できない。これらは、行動しないための自己暗示であり、行動とは変化なので、変化することはエネルギーがいるのでそんなめんどくさいことは、人はそもそもやりたくないのである。人は常に同じ状態を保ってなるべくパワーを温存するほうがリスクが少ない。・・・


・・・行動するのはほんとうにめんどくさい。基本的に私は出不精であり、物事がおっくうで根気がなく、新しいことが苦手だ。でも、そういう自分ではなかなかお金も稼げないし、仕事もできないので、気力でチャレンジしているのである。気力でチャレンジするとはどういうことかといえば、考えないということなのだ。行動する前に考えたとたん、いやになる。だから、思いついた瞬間にやってしまう。こうしないと何もできない。間髪入れないほど簡単である。考えれば考えるほどおっくうになるのだ。人と約束をするのも、約束を断わるのも、思いついたらすぐやれば気持ちの負担は少ないが、時間がたてばたつほどおっくうである。すぐやる、というのは行動力とは関係なく癖である。日常的にそれを癖にしてしまえば、恒常化し、その状態で安定化する。安定すれば人はそこを動かない。・・・」

2009-06-22

夜更けの天気図 (知床expedition#4)



ベルギービールと
カリフォルニアワイン(シャルドネ)と
森を走った後のキーンと冷えた生ビール(銘柄何でも)を

こよなく愛する私だが、



お気楽キャンプでないとき、山に入るときは、アルコールを(ほとんど)口にしない。根が小心者なため、背骨に沿って存在する一本の緊張の糸がお酒の味を不味くさせるのか、その旅が終わるまで、ハーブティ(←カフェインNG)&ココア(←カロリー欲しい)派に変貌する。



それを他の人に強要する気はないけれど、


今回の北海道荒くれメンバー達は、そんな繊細なことはまったく気にしない大酒飲みの集まりで、カヤックを漕ぎ出す初日、「船酔い」の前に「二日酔い」で幕をあけるほどだった。当然、持ち込む食料の量よりも明らかに多い酒瓶を、毎晩毎晩、焚き火料理とともに、わっせわっせと豪快に消費していく。



クマ・キャンプには慣れていても、シーカヤックの技術に関してはずいぶんと心許ない自分は、頼りにしたいメンバー達がいくぶん酒乱気味なことに、どこまで信頼していいものかと、初日、内心ヒヤヒヤしていたのだが、(今回のメンバーとはほとんどの人と初対面だった、というのも大きい)



その心配を払拭したのは、夜中、焚き火から少し離れた場所で、ヘッドライトの小さな明かりの下、ラジオを聞きながら天気図を書き取るメンバーの背中姿であり、


風邪気味で早く寝たはずなのに、夜中3時にひとり起きて、クマ番をしてくれていたというメンバー達であった。



お酒と真剣さとは全然リンクしてなくて、逆に、「遊ぶことに全身全霊をかけて」いる、このかっこいいオトナたちに、自分の思いこみを反省しつつ、遊ぶときはもっと豪快に遊ばねば!と、その背中をみながら心に誓ったのであった。







思いかえせば、上陸時にヒグマ母子の姿見かけたキャンプ地ですら、一度寝袋に入ったが最後、朝まで何があっても起きない私の方が、相当図太い神経の持ち主か・・・?(今回の旅で出会ったヒグマは12頭。アラスカよりよっぽどクマ密度高い)


ナマケモノ

ジョギング中、目の前を横切るノラ猫をみて、「あ、キツネ~」と思うワタクシ、ただいま知床ボケ中。



1週間。
1週間、走らなかっただけで、

汗腺はふさがりオーバーヒート気味で火照る身体。
20キロ軽く走れたはずなのに7キロでバテバテの身体。
若くないこの身体は、放っておくと、すぐ下降曲線を辿ろうとする、とんでもないナマケモノだ。

大自然の圧倒的な「気」に負け、帰国・・・でないな、帰宅後、しばしグロッキー気味だったが、本日ジョギング復帰。6月の目標値まで、あと84キロ(キビシイ)。次の100キロ挑戦の日まで、あと92日(ミジカイ)。

走る理由はいろいろあるけれど、
「何か大きなことをドーンとやりたいときに、体力負けしないため、常に身体をアイドリング状態にしておきたい」というのが、一番大きな理由、かな。

2009-06-21

海の道(知床expedition #3)

歩く。
走る。
よじ登る。
馬に乗る。
犬橇を操る。
カヌーを漕ぐ。
自転車を漕ぐ。

エンジン動力をあてにできない場所に身をおきたければ、(そして、たいがい、その場所というのは、苦労の分だけ美しい、というのも、経験より得た真実。)自分(か、動物)が動力となるしか方法はない。今まで、自ら、また誘われるがままに様々な方法を試してきたが、この夏、新たな方法と出会うことができたこのヨロコビ。

シーカヤックを、漕ぐ。

数年前、ロッククライミングを初体験したときに、「ああ、これからは世界は三次元に広がるのだ!」と驚いたほどの衝撃が、今回もまた。

「海岸線は道なのだ」と認識したその時、見ていた地図は、訪れたい場所は、また無限に広がっていくじゃないか。(何しろ日本の海岸線は、アラスカ抜かしたアメリカ本土の海岸線よりも長いのだ、と、どこかで読み囓った知識を偉そうに出してみる。)

別のルート。
別の視線。

この夏、氷河こぼれ落ちる海岸線からみるアラスカの景色が、楽しみです。

地球探検隊 大人の修学旅行シリーズ
(↑ 改めて気合いいれて募集中。催行決定)

海辺のベッドメーキング(知床expedition#2)


過酷な状況で過ごすときに一番気を使うのは体調管理。 よく食べ、よく眠る、は、何があっても死守したい。

石ゴロゴロな状況下、かつ、人工の漂着物たくさん打ち上げられている浜辺でのベッドメーキング方法を、知床カヤック10回目の猛者より、今回、新しく学ぶ。

2009-06-20

波間に浮かぶ1枚の羽(知床expedition#1)



十数年ぶりに上陸した北海道。

・・・ではあったが、今回は、札幌ラーメンにもスープカレーにも、めぼしい観光地には一つも目もくれず、ずっと、どんより低い雲立ちこめる無彩色のオホーツク海に頼りなげに浮いていた。北海道を何もみていないような、でも、北海道の全てを凝縮して体験したような、1週間の旅。知床岬、シーカヤックキャンプ。


シーカヤックという移動手段を使い、日帰りでない旅するのは、初めてだ。

少しでも波立つと、「ひゃー、こりゃ嵐だ嵐だ、大変だよ」と内心びくびくしながら、それでも漕ぎ続け、自分の力で進むしかないシーカヤックは、しかし慣れてくると、陸を歩いていては見られない、海水面ぎりぎりから時速5キロで移りゆく、独特の景色を楽しめるようになる。


海中は、紫の蛍光色に光るクラゲ楽園。トロリとした漆黒の海にパドルを入れながら、その先の海面にフワリと落ちているカモメの羽をみつける。自分の乗るシーカヤックも、気まぐれな風と波に遊ばれるこの羽と同じくらいの頼りなさと小ささだと思い知らされ、ふぅ、と背中に緊張感が走る。

WFR(ウィルダネス・ファースト・リスポンダー)の講習で習う「ウィルダネス」の定義は、「病院機関までの搬送に2時間以上かかること」だが、その定義に従えば、今回訪れた知床岬は、日本に残された数少ないウィルダネス、な場所だった(地元漁師が使う浜辺の「番屋」や、沖を往来している観光船「オーロラ号」は、見ないふりをして)。

ウィルダネスを旅するときの、

出発時、車を降りた瞬間から旅が終わるまで、どんなに楽しくても決してなくなることのない一筋の緊張感や、
その緊張感とともに存在する圧倒的な開放感、
食べる、眠る、移動する、という欲求に従うだけのシンプルで明快な時間、

を、久々にギュゥゥと味わってきた。(しかもまさかの日本で!)



いつも遊んでいる東京の友人たちが上品に思えるほどに、荒削りでやんちゃで逞しい北海道の男(一部女)たちに混じっての北海道旅より、

無事、生還。