2010-12-22

都会のネオンに囲まれた夜




写真は今年アラスカで押し掛け居候してお世話になった山岳ガイドの家と洗面所。
ミニマムでシンプルで機能的で、だから美しい。

家はまだ建築途中だ。いつ完成するかはわからない、という。「お金と時間がかかるから。」借金をして未来をフィックスするよりも、そのとき自分にできる範囲で、少しずつ作ればいいんだ、って、ブライアンは言っていた。




アラスカで魅せられたストイックな美しさ
嘘がない、無駄がない、見栄がない、虚飾がないことの潔さ

東京にいるときも、その立ち位置を保ったまま生活しようと決めていた
東京は故郷だから、ここを捨てなくたって、都会でだってそんな生活は可能じゃないかと

決めたのに

賑やかな街はいつだって
嘘と、無駄と、見栄と、虚飾でキラキラと輝き
心の隙間に入り込んでこようと
手ぐすねひいて待っている




気付けば
そのキラキラとした浮かれた街の中で
相手と場所にすりよったウソくさい立ち振る舞いをしていた

タバコの煙がもうもうと立ち上る
居酒屋の片隅で

きれいにお洒落して着飾った人々たちと
奇麗だけれどどこかカクカクと人工的な味の食事を
微笑みながらフォークで突く
テーブルの席の一角で

自分を偽って
へらへらと笑いながら相手にへつらう私に
心の中の冷静なもう一人の自分が小馬鹿にして鼻で笑う

オマエハイッタイナニヲシテイルノダ?

澱のように心の底に少しずつ溜まる疲労感

心が伴わない
自分の心に嘘をつくような時間を過ごすことは止めにしよう
きっぱりと捨て去ろう





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