2010-05-31

流れゆく時間を本当に生きるには自分を絶えず更新させること

▲Leithen TIrol, Austria

「流れゆく時間を本当に生きるには、自分を絶えず更新させること」
遥か遠く、海と山脈をいくつも超えた山奥に住む友からのメールに、そう書いてあった
わたしはどこに流れ行こうとしているのか
目指す場所へ近づいているのか遠ざかっているのか

森の中で日々を過ごしたい
西行きの飛行機に乗りユーラシア大陸のあちら側へ
アルプスの麓の夏が始まる

未知の地を伝えることの難しさ

2009.8 Seward, Alaska

ガヴァルニー(Gavarnie)、トルムーズ(Cirque de Troumouse)、コトゥレ(Cauterets)、ポンデスパーニュ(Pond' Espagne) 、アルジュレスガゾスト(Argeles-Gazost)、ビニュマール(Vignemale) 、アラン(Val d' Aran)・・・  

呪文のようなこの単語の羅列は、 フランスとスペインの国境地帯、ピレネー山脈の世界遺産となっている付近の地名。 来月この地を歩くことになった私は、久々のヨーロッパの錆び付いた知識を掘り起こしながら日々下調べをしているが、コトゥレなんて人口50人、正直、すごく地味な場所だと思う。

いや、ヨーロッパ好きハイキング好きにとっては、世界遺産のここは有名な場所なのか?

*  

一方で、アラスカの地名は、その字面を見るだけで心躍る。この単語が示唆する世界が手に取るように脳裏に思い浮かぶから。

ターナゲン入り江(Turnagain Arm)、ガードウッド(Girdwood)、ポーテージ(Portage)、スワード(Seward)、エグジット氷河(Exit Glacier)、キナイフィヨルド国立公園(Kenai Fjord NP)、アリアック湾(Aliak Bay)、ノースウエスタンフィヨルド(Northwestern Fjord) 

それは、あの

空港を降り立った瞬間に肌を刺すあのキーンと清々しい空気感
温帯雨林っぽい意外と緑緑した背の高い森
霧が似合う魚臭い村
ボートで3時間、クジラやイルカやトドやパフィンやラッコの出迎えを受けながらフィヨルドの奥深くへ入って行くときの高揚感
野生動物だけが持つ迫力あるオーラ
色の波長が短いから反射してるだけなんだと分かってても吸い込まれそうな氷河ブルーの色
氷河の海にカヤックで浮かぶとぷちぷち炭酸の音がすること
氷河が崩れるときは雷のような轟き音
野生のブルーベリーの舌の上に広がる酸っぱく甘い感触

私にとっては当たり前のあの場所は、知らぬ人にはその地名はただの呪文

「アラスカ、氷河の海をカヤックで漕ぐ」  
このことばの裏に潜んでいるシンプルで深い時間を、 アラスカも氷河も、いやキャンプやカヤックも知らないかもしれない人に伝えようとするのは、なんと難しいことだろう。

わたしのことばは、まだまだ足りない


「アラスカ、氷河の海をカヤックで漕ぐ」8月
6/14〆切
http://www.expl.co.jp/shugaku/kikaku/10/anc_s/index.html

2010-05-24

a view from my window


家の窓から見える景色が電柱と隣家の屋根、な都会にいては、私が磨きたい感覚は身に付かない。いくら本を読んでもだめ。人から教えてもらおうとしても駄目。

自然と対話する方法は、自分でその中に入りこみ、自分なりに見つけていくしかない。

というわけで、来週から2ヶ月間、窓からの景色がアルプスの山々な場所へプチ移住。今年の夏はヨーロッパで仕事するのだ。

新しい場所に身をおくことで、見えてくるものは多くあるはず。
乾いたスポンジのように、見るもの、出会うもの、すべて吸い込んできたい。プゥーンと鼻孔を大きく広げて、毎日毎日深呼吸しよう。

楽しみ。
楽しみ。

2010-05-20

人は線を引いた場所まで行ける、またはそこまでしか行けない(野辺山ウルトラ71K入賞記)


きっかけは、本番1週間前、ナミちゃんとの電車内での会話だった。  

な「野辺山ウルトラマラソン出るんだって?」 
私「うん、(100キロの本命レースじゃなく)71キロの短い方ね。71はゴールが温泉だからさ」
な「去年私出て、8時間20分で走って7位だったんだよね〜。6位までが表彰されるからさ、betty狙えるんじゃない?」  

は!?  
入賞? 

この瞬間まで、ここ2年半ほど楽しんでいる「走る」レースにおいて、自分が表彰台に上がるなんて考えたこともなかった。ちょっと前までは、「無事走りきれるのだろうか」って、「完走」が目標だったほどのダメダメなんちゃってランナーだ。

ただ、2年も走っていると、さすがに、徐々にではあれど、走る体力も筋力もついてきている。

3月のロゲイニングでうっかり優勝して手にした賞状は、小学生だか中学生以来、ひさびさに手にする「賞状」で、たいそう気持ちが良かった記憶の残骸が、私のやる気を後押しし・・・、魔が差したのかもしれない。

入賞、の二文字が頭をよぎりはじめた。



1年前に参加した萩往還70キロは、弁当休憩30分を入れた上で9時間13分。 
3月のフルマラソン42キロは、3時間49分。 

今回は71キロ。標高差1000m以上ある坂道だけのコース。

できるかな? 
うーん、1キロ7分って、そんなに早いペースじゃない・・・よね?  

10時間の制限時間内完走は、よっぽど体調がおかしくならない限り、今の私には無理じゃない。坂道71キロ走るのは、カンタンとは言わないが、決して自分の「限界」への挑戦じゃない。

1キロ7分ペースX71キロ=8時間17分、 
うまく行けば賞状のご褒美がついてくる。  

よし、これを今回の目標に設定してみよう。  

その日私は家に帰ると、PCを開き、エクセルでチマチマと途中チェックポイントや10キロ地点ごとの経過予想タイムを計算し、一覧表に仕立て上げる。小さくプリントアウトして、当日、ポケットにそっと忍ばせる。 こうして、密かな目標値を抱え、野辺山71キロの走る旅は始まったのだった。  

*  

標高1000M前後の高原は、一番好きな気候帯だ。



瑞々しい森の空気を肺に取り込む気持ちよさ、残雪の八ヶ岳、南アルプス、富士山、芽吹いたばかりの唐松のやわらかな緑の葉、白樺林、たんぽぽ畑、エイドでいただくお汁粉、そば、おにぎり、いちご、オレンジ、ぶどう、一緒のペースで走る人との会話、1日中何も考えず邪魔されず走れることのヨロコビ、


・・・いろんな要素で幸福感に包まれ、途中までは、本当に楽しく、ニコニコとご機嫌で走っていた。


が、59キロのチェックポイントで、とうとう悪魔の壁がやってきた。 

昼11時半。朝5時にスタートして、もう6時間以上が過ぎている。 随分と真上に上がってきた5月の太陽がアスファルトに照りつける暑さと、7時間近く動かし続けてきた手足胴体のストライキ突入モードのせいで、走るヨロコビは、一気に走る苦しみへと転落する。  

63キロ以降、容赦ない上り坂が続く。道路端の標識には、斜度10%と出ていて、さらに私をげんなりさせる。  

あーん、歩きたい、歩きたい、歩きた〜い!  

何だかこうやって書いてみても、あの時間あの場所にあれだけ走っていた人じゃないと、「もう走るのやめて歩きたい」誘惑の力強さは理解できないんだろう、と思うけれど、今の私の持つ実力からすれば、「歩く」方に脳内99%が賛成するほどの辛さだった。イヤガラセのような登り坂が、えんえんえんえん、どこまでも続く。どこまでも、終わることなく。  

それでも、最後まで走るのを止めなかったのは、「歩こう」モード99%の賛成票をかろうじて押しとどめた残った1%の意地は、最初に自分に課した目標タイムがあったからに他ならない。ゴール時間を設定していたから、設定した自分に対して意地になった。  

結局、スタートから8時間10分38秒後にゴールした私は、予定どおり6位に滑り込み、今年2回目の賞状を手にした。賞状が嬉しいのではない。設定目標をクリアするために走り抜いた、最後8キロの自分の気合いと底力に乾杯!なのだった。


でも、と、その一方で、ふと、思うのだ。 
5位との差はたったの1分半。 もし目標を「8時間以内」と設定していたら、あと10分早くゴールできたのかな。 

私は、設定した壁は乗り越えられたけれど、その壁は、もう少し高くても、もしかしたら乗り越えられたのかな?(あの登坂の辛さが喉元すぎた今、また、楽観的なこと言っているだけかもしれない・・・けど) 

人は、線を引いた場所まではちゃんと歩いて行けるし、 逆に言えば、線を引いた場所までしか、歩けないんじゃないだろうか?  

*  

100キロ走るウルトラマラソンの世界は、何だかとても奥が深い。  

参加者それぞれが、自分の限界に挑戦しているのだ。私がゴールした71キロの後には、さらにきつい峠道が待っていて、本当にイヤラシイ道のりがまだまだ続くらしい。その未知の29キロを想像しながら、100キロのゴール地点に立ち、完走者に拍手と声援をおくる。電車の中で私に「入賞」をささやいたナミちゃんは、今年は100キロを走り抜き、私の目の前で涙を浮かべてゴールした。  

速く走れるのはもちろんすごいが、それだけじゃない。制限時間30分前くらいになって、次々とヨレヨレとなった体で駆け込んでくる、ヨロコビに満ちた人々の姿は、数メートル先に立つ私の胸を思い切り打つ。  

ああ、人間、いくつになってもチャレンジなのだな〜。

人が自分の限界に挑戦する姿、それを達成した瞬間は、有無を言わさぬ力強さと美しさがある。ものすごい充実感に包まれる。自分も、周囲にいる人たちさえも。 その力強い充実感を、手っ取り早く体験できるのが、超長距離マラソンにはまる理由のひとつなのかも。この手の達成感は麻薬のようで、リピートしたくなるものだ。より強い刺激、より強い達成感を求めて。

フルマラソンとは全然違う競技の超長距離レース、M気の強い人にはたまらなくお勧めです。最近、チャレンジ足りていない方、よければ、この苦しく楽しい世界をのぞいてみては?

2010-05-12

たいせつなものは自分で見つけ出さなくちゃ

数日前の投稿に「火を熾した」話を書いた。
書きながら、何とも座りが悪い思いをしていて、それは、わたしが思った感じた、ことばにならないような部分が全然表現できなくて、なんか、ただのミーハーな火熾しゲームみたいな表現になってしまっているからなのだ。

ちがうちがうちがう。

数年前にバックパッキングという形で自然の中に入ることを覚えたとき、ああ、数日間、数週間生きるために必要な荷物は、全部背中に背負えるんだ!という気づきは大きな衝撃となって、自分の価値観を動かした。

そして去年から今年にかけて、バックパックの中に、最低限これだけは必要だと思っていたはずの道具が、実は要らないかもしれない、という体験を続けてしている。食材。厳冬期のテント。マッチ(ライター)など火付け道具。それは、自分の「最低必要なものライン」をさらに下げる体験で、またまた既存の価値観が揺さぶられている(でもまだ消化しきれていない)。わたしにとって大きな体験なのだ。

でもこういうことって、わたしがこうしたいという、強い思いが先にありき、で、「やってみようよ」と誰かから誘われたわけではない。自分から探し求めていかないと出会えない。

さらに、わたしにこれらの技術を教えてくれる先輩たちは、誰もが口をそろえて、「教えているわけじゃない」「俺のいうことは信じるな」「自分で考えろ」って言う。あまりの突っぱねられ方に、わたしは訳が分からずオロオロするのに、その戸惑う姿を見て楽しんでいるイジワルな先輩たちだ。あくまでも、背中を見せてくれているだけ。学ぶのは自分自身だ。その、一段(だか二段だか)上の境地に辿り着けるかどうかも。



という前置きがどこにつながるかというと、

この夏、秋、わたしがプロデュースなどで関わっている海外企画は2本あるのだけれど、そのどちらも、例年のようにうるさく「いいよいいよ、一緒に行こうよ、やってみようよ」と言う気にならない・・・という、仕事としてみれば、ダメダメモードな今の気持ちの言い訳なのです。

ツアーという形を取ってはいるけれど、受け身で参加しても何も楽しくない旅だから。参加するときの気持ちとか積極性とか挑戦する気持ちとか、そういうのは、外から言われるものではなく、その人の内側から発生したものでないと、意味がないと、自分の経験から思うようになってきていて、

だから、今、タイミングがちゃんと合った人たちが、鋭い嗅覚で探し当ててくれて、参加してくれたらいいな、と願うのだ。内容には絶対の自信があるから。タイミングの合った人が参加してくれたら、驚くほど濃い1週間となることは間違いなしだから。

甘いかな。こんな控えめなスタンスでいるのがいいのかどうかわからない。仕事なんだし、もっと宣伝しなくちゃ目にもはいらないよ、という心の声も聞こえるけれど、まあ、誰の琴線にも引っかからないならしょうがない、という諦めも。

といいながら、明日、気分が変わったら、また、ガンガン宣伝始めるかもしれません。いつものように、巧みにいやらしく。

***

「極北アラスカの夕べ」 5/13(明日よ!) 19:00-20:30

あれもこれも欲張って観光する旅を離れ、たまには地球の声を感じながらゆっくりとしたリズムで旅してみませんか?手つかずの極北の原野に入り込み文明からしばし離れて動力に頼らず旅をする「何もなく」それこそが一番の贅沢であるような時間を提案します。


「氷河を海から眺めたい! 夏のアラスカ シーカヤックキャンプ」
~ シーカヤック、原野キャンプ、氷河、海の野生動物 ~
日本発着最短日程:8月14日(土)~8月22日(日) 9日間


ズドォォォォーン・・・
寝袋の中で眠りながら聞いた、あの音が忘れられない。
都会暮らしの自分には、不自然にすら感じてしまうほどの、完璧な自然がそこにはあった。
小さな港町から船で3時間。そこが今回の旅の滞在地。
船は2日後に迎えに来てもらう約束で帰って行く。
文字通り何もない浜辺でのキャンプ。
あるのは、海、森、空,それと崩れ落ちる氷河、それだけ。

2009年参加者の報告より






カナダバンクーバー島 アウトドアスクールで学ぶ1週間
(パンフレット完成、ウエブでの詳細は近日発表予定)

日程:9月4日(土)~12日(日)の9日間
場所:カナダバンクーバー島

COLT等、カナダで有名なアウトア教育を手がけるストラスコナパークロッジで一生に一度の体験を!
カナダ西部、地球上にわずかに残された原野を舞台に繰り広げられる1週間のアドベンチャー。子供の頃のように、久しぶりに新しいチャレンジにどきどきしてみませんか?自分の五感を開放し、自然からインスピレーションを受けてみませんか? 自然からの教えは、戻ってからの日常生活をさらに豊かに奥深いものにしてくれます。

説明会
6月20日(日)19:00~20:00
説明会の詳細
プログラムのお問い合わせは (株)ISM

【映画】The Bucket List


The "Bucket List"

  1. Witness something truly majestic
  2. Help a complete stranger for the good
  3. Laugh till I cry
  4. Drive a Shelby Mustang
  5. Kiss the most beautiful girl in the world
  6. Get a tattoo
  7. Skydiving
  8. Visit Stonehenge
  9. Spend a week at the Louvre
  10. See Rome
  11. Dinner at La Chevre d'Or
  12. See the Pyramids
  13. Get back in touch (previously "Hunt the big cat," added after being earlier added and crossed off)
  14. Visit the Taj Mahal
  15. Hong Kong
  16. Victoria Falls
  17. Go on a safari
  18. Drive a motorcycle on the Great Wall of China
  19. Sit on the Great Egyptian Pyramids
  20. Find the Joy in your life

3、の「腹がよじれるほど笑う」とか、いいよね。毎日笑ってたい。リストに書かれているような世界中の絶景は、まあ、見られればそりゃいいけど、なんか、その時期はもうすぎた。アラスカの大好きな場所でひとりいつまでも気が済むまで(気が済むことないんだけど)立ち尽くし、頬で風を感じていたい。あ、今終わってもいい、っていう瞬間が、あの場所にはたくさんありすぎる。あいにく終わらないから、また日常に戻ってきて仕切り直してるようなものだ。

私の手帳の裏表紙は、毎年棺桶リスト(=the bucket list, 死ぬまでにやっておきたいこと)を書いている。まさかできないと思っていた年始め。まさか達成しちゃって、線を引いて消していく年の終わりの儀式が好きだ。だいたいのことは、書いた時点で、やることになっている。そういうものだ。できてないものもあるけれど、まあ、ゆっくりと取り組もう。

数年前、自由人になって、ぷらぷらと歩きながら、気ままにいろんなことに手を出しているけど、すべてを支える大黒柱の一本になっているのは、20「人生の楽しみを見つける」じゃないかな。暢気なコンセプトで生きてます。はい。



最高の人生の見つけ方
ジャックニコルソンとモーガンフリーマンの演技にノックアウト。内容よりも俳優。


2010-05-10

Bow drill fire making(火を熾す)





誕生日の翌日は。

チャッカマンやらライターやらマッチに頼らず
生まれて初めて、この手で火の赤ちゃんを生み育て焚き火にした記念日。熱くて赤い火が手の中から生まれた瞬間は、小さく感動。

おお!わたしってばスゴイ!
でもマッチやライターを造り出した人間ってば、ほんとうにすごい。

メモ:エマージェンシー・キットにマッチは必須。

How to make a fire

腕時計を捨てて(大人の秘密基地キャンプ#6)



参加してくれたメンバーの日記より。


「海に飛び込む。シーカヤック。綱の上を歩くスラックライン。昼寝。読書。小学生低学年レベルの子供のような過ごし方をしたあと、船でキャンプ場を後にする。 


帰りの車、軽く西日の差した太陽をみて 「何か小学生の夏休みが終わったみたいだね。」と誰かが言った。 GWなのに?この歳になって?でも、あの時は皆そのように感じていた。 孤島生活や自給自足キャンプでも感じたあの既視感。 大人になって子供の夏休みが又来るというのは、何て幸せな事なんだろうと思う。 


色んなしがらみや捨てられない物も増えてくるかもしれないが、時には1日でも良いから思い切ってすべて捨ててみる事を忘れないでおこうと思う。 


住まいを捨て、自然の中で寝転べば自然と一体化できる。 
境界線が無くなれば人と人は交わるしかなくなる。 
腕時計を捨てればそこには悠久の時が流れる。 
自然に触れ合えば人間が動物として持っている五感が蘇る。 
捨てる事で得られるものは無限にある。」



こんな時間がつくれるのは、KenVillageのスタッフたちがかっこいいコドモオトナだから、その魂と気があの秘密基地空間全部に蔓延していて、で、皆コドモに戻れるのだ。人が写っているスナップはあまり載せていないけれど、見返せば、びっくりするほど、本当に無邪気な笑顔で全員が笑ってる。

西伊豆秘密基地キャンプ秋バージョンは10月、かな。


*今回は写真撮る暇もないほど遊んでいたので、掲載写真は全て借り物です。
Thanks to Hassy, Mai, Ken & Nami

腹が減っては戦はできぬ(西伊豆秘密基地キャンプ#5)

よるごはん
(Directed by KAYA-KAYA)

あさごはん

ひるごはん

キャンプで食事は大きな割合を占めるから、テーブルクロス、並べ方、(味も勿論)全部に気を配れ!とは、カナダガイド修行時代に学んだ鉄則。美味しいところに幸せは宿る。



***


よるごはん必死に捕獲中


*参加者のヨロコビの声*


「夜ご飯のための、ふじつぼと亀の手の採取に夢中になった。
その後、隣町のイタリアンレストランのシェフの指導のもと、採った貝のだしを使ったパエリア、カツオの酒盗を使ったミルクスープ、明日葉と新玉ねぎの天ぷらを作る。地のものを使った旨味の濃い食べ物たち!」


「フジツボ亀の手狩りの後、ひょっこり現れた伊豆の料理人の指示のもと調理はスタート。 出来上がったのはムール貝のパエリア、酒盗のスープ、アシタバの天ぷら。 豪華!!うまい!! 食事にぱくつき、うまい酒を沢山呑み、火を囲み、自然に囲まれ、虫や 波の音を聴きながらの団欒が延々を続く。」


「カツオの酒盗のミルクス-プと、重曹を使った天ぷら、翌日すぐ作りました!簡単でおいしかったです。」


「ベルギービールに自分で取った出汁の味がしみ込むパエリア。なんて贅沢〜」

花より団子(西伊豆秘密基地キャンプ#4)


こんなに夕陽がきれいだったなんて
ナミちゃん、ひとりで写真撮ってないで教えてくれればよかったのに

(そういえば西伊豆は夕陽の名所)

空を見上げることもなく
焚き火の調整とパエリアづくりに夢中になっていた夕方6時半。



@西伊豆秘密基地キャンプ

Walk A.S.A.P. (西伊豆秘密基地キャンプ#3)


トレイルランニングって楽しい。
半分の時間で2倍の距離楽しめる。
得した気分だ。

が、時には
ゆっくり歩くのも悪くない。

Walk as slow as possible.
風も波もない鏡のような湖面をイメージして
薄い薄い氷の上を歩くように
やわらかく猫のように忍び足で
そっとそっと
音を立てずに
森と会話しながら


@西伊豆 今山トレイル 
秘密基地までの森のトンネル4キロ、ゆーっくり歩いて2時間弱。

すれ違った人2人:地元の釣り帰りのお爺ちゃんと小学生の男の子。
見かけた足跡:シカの足跡たくさん。



新緑の季節によく見かける・・・君の名は?

近頃巷に流行るもの(西伊豆秘密基地キャンプ#2)



近頃巷に流行るもの。slack line。
幅が5センチもあるのに何故3歩しか歩けないのか!?

帰り道、道路の白線の上を無意識にバランス取って歩いてた。

@西伊豆 秘密基地キャンプ

2010-05-07

夏の終わりのヒグラシの鳴き声を聞いた(西伊豆秘密基地キャンプ)



伊豆はその昔大昔、ハワイみたいに島だった。
プレートに乗っかって動いてきて
ぐぁーんと日本にぶつかって、
その衝撃で丹沢山脈ができたとさ。

・・・丹沢はさておいて。

伊豆はだから、陸続きでも外国なんだ。
その証拠に
山の植生が、東京のそれとは全然違う。

シダ。
ガジュマルみたいな木。
たった1ヶ月
たった1ヶ月しか経っていないのに
GWの森は、南国だった。

季節外れの大雪が降ったばかりの3月末。
控えめな山桜の淡い淡い桃白色に染まった森は

1ヶ月後のGW、
もりもり
もりもり
と様々な緑色に膨らんでいた。

ぷちぷちと生命の息吹が空中に浮かんでいるのが見える
息苦しささえ感じる
西伊豆の原生林がつくりだした木漏れ日のトンネルをくぐり抜けること2時間、

のんびりと時間を決めずに歩きながら
うまくいかない仕事のイライラとか
うまく衣替えができておらず片付いていない家の中のどうしようもなさとか
手帳に書いてはみたものの達成できそうにもない to do list とか

頭の中をぐるぐる回る小さな悩みを少しずつ捨てながら歩いて
腕時計も捨て去って
心の中にぽっかりと空白ができた頃到着する
西伊豆の秘密基地。

1ヶ月ぶりに会うこの秘密基地の主は
やあやあいらっしゃい、久しぶり、と
もう夏を終えたかのように真っ黒に日焼けした顔で
わたしたちを迎えてくれた。

乾いた喉を麦茶で潤して
一足早い
夏休みの始まりだ!

わーい!


夜中。

ふだん寒いところでばっかりキャンプする私は
暑さで目が覚めておどろいた
シュラフから這い出てお腹の上に掛け直してもう一度眠ってみるが
黄色いテントの生地の向こうから存在を主張する
朝5時の太陽光線に負けまたすぐに目を覚ます。

5月って、春じゃないぞ
もう夏なんだ


朝9時。
蒸し暑さに耐えかねて
目の前の海に飛び込んだ
(思いがけず今年はじめての海水浴だ)

ぷっかり
ぷっかり
波間を気ままに漂いながら
キャンプ場を振り返って気がついた

「1日一組限定のプライベートキャンプ場」と謳っているこの秘密基地
貸し切りなのはキャンプ場その場所だけじゃない

要塞のように森と崖に囲まれた東西北のこの空間すべて
リアス式海岸の奥にあるこの海すべて

二次元じゃなくて三次元の世界を独り占めしている
贅沢、ぜいたく。

空気をいっぱいお腹に吸い込んで
水面に仰向けになってみる。
水分をたっぷり含んだ重たい空はくすんだ青色
トンビがピョロローとひと鳴きして、その空をまっ二つに切り裂いた。


キャンプ場からの帰り道
茜色に染まった西の空を車窓に眺めながら
終わってしまった時間が恋しく
胸がきゅーんと寂しくなる

うっかりと日焼けしてしまった腕と背中のヒリヒリが
痛いけれど嬉しくて

耳の奥で夏の終わりのヒグラシの鳴き声を聞いた気がした


あのむっちりと濃い27時間1泊2日の時間は
いくら語ったって伝わらない
伝えられない

だからこそ
一緒に共有してくれた
7人のオトナコドモな参加者のみんな
ありがとう!


「第一回 大人の秘密基地キャンプ」
ちゃんとした報告書は ここ