2011-10-26

体を肥やし、心を肥やし(東芝地球未来会議2011)

Act Eco Journal

バンコクの洪水が心配。



8月にファシリテータとして参加した、「東芝地球未来会議 in タイ」の開催レポートページが完成していた。
http://begoodcafe.com/act2011



わたしはタイで、美味しい食事とシンハービールに浮かれまくり、2週間で3キロ肥えて日本に戻ってきたのだが、参加した高校生たちは、心を肥やして戻ってきた。ヨカッタヨカッタ。




ツイッターで参加者(高校2年生R君)とのやりとり。

R: タイいく前といまじゃ確実になにかかわりました。やりたいことも確実になってきたし、これからもっと目標にむかってがんばらないと。勉強。

私:お疲れ様!

R:本当に感謝感謝です。高校生活一番の思い出になりました(お世辞とかではなく、本当にです)かけがえのない友達もできたし、自分の至らなさもわかったし。これがなしと、ありとでは人生180度変わっていくかもしれないです。




「これがなしとありとでは、人生180度変わっていく」体験を、私らしい形で、アラスカやユーコンの原野のプログラムとして提供するのが、長期的野望です。

2011-10-25

1年分のトマトを食べた日(伊南川100kmウルトラ遠足)

エイドは(地元名産の)トマト、トマト、トマト
スタートとゴールのシンボル大銀杏
幸せな景色広がる

夏に大荒れした伊南川
Oct.2011, Minami-Aizu, Fukushima, Photos by Kenji-san


足が象なみに浮腫んでるゾウ。



週末、100キロを自分の足で移動した。

100キロ。時間でいえば13時間。

日の出前の朝5時から日の入り後の夕方5時57分までの間ずーーーーっと、17箇所のエイドで、水分と食糧を摂取するために立ち止まったのと、トイレに4回立ち寄ったのを除いて、足を前に前にと出し続けた、ただひたすらに。コースは、合計1600mの標高差があるので、6キロの登山道と、10キロのダラダラ峠越え登り坂は歩いたが、あとの84キロは(すごくゆっくりだけど)走った。


私だけじゃない。世の中にはそういう遊びが好きな人たちが少なからずいて、今回、福島の南(栃木と群馬と新潟の県境い、または尾瀬国立公園の北の入り口)、会津の伊南川沿いに100キロを16時間以内で移動しようよ、というイベント「伊南川100kmウルトラ遠足」に、北は北海道から南は佐賀県まで、私をふくめ、先週末、282人の物好きが会津に集合


ブログ更新久々の今日は、100K感想&完走記です。




70キロ以上走る/歩く大会(イベント)に出るのは、2007年のOxfam Trail Walkerを皮切りに、今回で7回目。普段は、ふかふかの森の中が好きなので、全体の94%がアスファルトの上、という条件は初めてだが、100kmという距離感覚は、もう体が覚えている。

100キロは、決して近くはないけれど、思っている以上に遠くもない。

焦らず、自分の走力を見極めたゆるいペースで進めば、意外と疲れずに人は前へ進めるものだ。最初から飛ばさず、持てる力を抑えて抑えていくこと。普通の走る大会は「なるべく少ない時間でゴールする」という前提があるけれど、この世界は、「制限時間内に完走」という前提で参加している人も少なくない。そう、目標を「制限時間ぎりぎり」にして(今回は16時間)、疲れきって足がうごかなくなる前に、途中、歩いたり、エイドで長めに休憩したりすれば、思っている以上に、ゴールは遠くないし、体への負担も少ないし、多分、もっとウキウキと楽しい。

事実、60キロのエイドで「足が動かない〜」と弱音を吐く私をみて声をかけてくれたオジサマは、「まだ1時。あと40キロ進むのに、ゴールの制限時間まで8時間使えるから、もう走らなくても大丈夫だよ。1時間に5キロ進めばいいんだ」と励ましてくれた。だから、リタイアせずに、ゴールして美味しいビールを飲みなよ、と。(このユルユルな雰囲気が、ウルトラマラソンの特長。)


たしかにそうなのだけれど、歩いてしまうのは自分の中で「負け」な気がして、どうしても歩けないのだ。やっかいな性格だが、これが自分なのでしょうがない・・・。

夏の間ほとんど走っていない身体(6から10月の総走行距離は、たぶん200キロくらい)で、一度に100キロ走り続けるのは厳しいのは分かっていた。案の定、20キロ過ぎたあたりで早々に足裏や膝や股関節や腰や肩や腕・・・が、順番にストライキを起こし始め、痛みという形で私にブーイング信号を送ってくるけれど、そんな体の悲鳴は無視、無視。

25キロ地点で途中リタイアを妄想し、
65キロ地点で、布団に寝転がって安らかに眠る自分を夢想し、
70キロ地点で、まだ30キロも続くこれからの道のりを想像して気が遠くなり、
80キロの地点で、道路にいたヘビに驚き50センチ飛び上がって、膝の筋を痛めながらも、


折れそうな気持ちを叱咤激励して、ゆるゆると走りつづけた。


88.6キロの第16エイドを通過したのが午後4時45分。計算していたよりもずっと速かった。
エイドのグァバジュースを口に含みながら、あれ、あと11.4キロを1時間15分で走れれば、もしかして午後6時までにゴールできるかも?、と朦朧としてきた頭で計算する。12時間台でゴール、って、ぷぷぷ、悪くないんじゃない?


一旦意思を固めれば、人は強い。
88キロを走り続け、ギシギシに動かなくなったはずの足は、再びスムーズに、1キロ6分のスピードで動きはじめる。1キロ毎に腕時計をにらみながら走り続けること1時間10分、村のシンボル、大銀杏の木の下のゴールへ、午後5時57分、到着。

気持ちが一気に緩んでヘナヘナと地面に倒れ込む私に、スタッフのフミさんが、キーンと冷えたビール缶を渡してくれ(ここでビール、というあたりのユルさも、ウルトラマラソンっぽい)、長い長い1日は終わった。



あんなに走っている間は辛かったのに、意思が肉体を凌駕した(←大げさ)最後の1時間10分の記憶が麻薬のようになって、私は、また走っちゃうんだろうか。

普段、ラクな方にラクな方にと、うまく手を抜く術を覚えたツマンナイ大人な毎日に、自分の限界ギリギリのことをやって喝を入れ、あ、意外と私はまだまだ頑張れる、と頭でなく身体全部で感じられる瞬間が癖になり、走るのを止められないのだろうか。




以前、誰かが、100キロは「旅」だ、と言っていた。

車や列車の早さでは見逃してしまう景色と空気感を、時速7、8キロで流れ行くスピードで感じられる旅。その意味で、13時間、私は会津を味わい尽くした。

速すぎず遅すぎず、絶妙なスピードで視界を流れ行く、深い山合いにひっそりと佇む日本の原風景のような村。ブナやカラマツの原生林、いろんな植生が幾重にもなって生み出す錦色の紅葉の山並みと、アクセントに現れる渓谷。目を閉じれば今も脳裏に浮かぶ、奥会津の風景が愛おしい。

疲れた体をほぐしてくれた、鉄分たっぷりの赤い温泉、

お世話になった民宿のおばあちゃんの、あったかいお人柄と会津弁、おじいちゃんが「まあ飲めや」と注いでくれた地酒、

新米コシヒカリのつややかさと舌の上にのせたときの甘さ

地場の食材をたくさんつかった美味しいエイドの食事

人があまり通らない、ひっそりとしたトレイルに降り積もる落ち葉のふかふかさ・・・


話題の福島は、目に見える心で感じられる世界は、こんなにも穏やかで平和で素敵な場所で、それを感じるからこそ、目に見えないものに怯えないといけない事実に、胸が痛い。




伊南川100kmウルトラ遠足データいろいろ:

●走る場所
100キロ、550mから1700mまで、合計1600mの標高差。
うち6.4キロは尾瀬国立公園内のトレイル。




●旅の間のごはん:(合計17カ所のエイド食)
トマト、トマト、トマト、塩、たくさんのトマト。(トマトはこの地の名産品)
リンゴ、オレンジ、レモン、バナナ、梅干し、おにぎり、豚汁、ハム、焼き肉、花豆、あんぱん、カシューナッツ、カステラ、クルミ黒砂糖、お菓子類、飴類。
水、麦茶、スポーツドリンク、レモンティー、ココア、昆布茶、コーラ、グァバジュース、サイダー、生ビール


●いただいたお土産(参加賞):
Tシャツ、手ぬぐい、トマトジュース、岩魚の甘露煮、杉の間伐材でつくった割り箸、和菓子


●受付場所で見かけた地元の美味しそうなもの(沢山買った)
トマトジュース、米、味噌、赤かぶやゼンマイの漬け物、花豆、梅干し、梅の甘露煮、和菓子、日本酒。


●つかったお金
16000円の参加費と
13000円の2泊分の宿泊代と
8000円の交通費と
おみやげたくさん



●10月の月間走行距離のグラフ・・・、いびつ過ぎて笑える。




こういうMっ気のあるイベントは、一人では気持ちが萎えるので、友人知人を誘います。誘った人がまた人を呼び、今回も、わいわいガヤガヤ。あの辛楽しさを一緒に笑い飛ばしてくれた皆様、楽しい時間をありがとうー。


ウルトラ初挑戦のPOEの女性陣

park、裸足断捨離ランナー やまだ氏
http://blog.park-komazawa.com/?eid=11

Think the earthケンちゃん(取材同行。写真ありがとう)
http://www.thinktheearth.net/jp/thinkdaily/news/peace/935inagawa-ultra.html

親父弁当のヨシナリくん、まさかの実況中継
http://dpz06.cocolog-nifty.com/100k/

2011-10-01

Full moon, Fall color, and some green light

Denali National Park, Alaska, Sep.2011






8月の後半から9月、アラスカ〜ユーコン彷徨っておりました。大好きな場所にいられる私は始終ご機嫌、ニッコニコ。ああ、この場所大好きだ〜。

随分とご無沙汰していたブログ、ぼちぼちと更新していきます。