2010-12-22

my favorite photos in 2010


"Five hundred twenty-five thousand Six hundred minutes

How do you measure, measure a year?

In daylights, 
in sunsets, 
in midnights
In cups of coffee
In inches, in miles, in laughter, in strife."

今年も美しい瞬間をたくさん見られたことに感謝。

2010年の大好きな瞬間24枚。





骨がはみでた足の怪我にも慌てない(WFR野外救急)


3年前に取得したWFRの更新時期が、あっ、というまにやってきた。

長野と新潟の県境いの、日本の果てのような小さな村に籠ること4日間=36時間をかけ、今年一番集中して脳みそに汗かきながら勉強に励み・・・、無事リサートすることができました(ホッ)。


WFR(Wilderness First Responder)がどんなものかは、3年前の記事に詳しいので省くとして、今回の4日間は、BRIDGEという、基礎コース(WAFA)からのレベルアップ講習なので、毎日がほぼ外での実習づくし。

雪でなく雨でなくみぞれという、「寒いのに雪じゃなくて雨っぽい」という、何か踏んだり蹴ったりな12月半ばの天気が続く山に入って、

脊椎損傷の可能性のある怪我人を担架で搬送したり、


新潟からの峠越えで足を滑らせ脛に怪我をして、ご飯ももう10時間も食べずに軽度低体温症になったフラフラの傷病者(という設定)の、迫真の痛みの演技をしてスプリントされて山から搬出されたり、


現場のガイドやら野外学校のインストラクターやら看護士やら山雑誌のライターやら大学の先生やら救急法フリーク現役高校生・・・と、合計17人の人生楽しく生きている多種多様な人たちとともに、(この講習は参加者との出会いがおもしろすぎ!)、


楽しく大変な合宿生活を過ごしたのだった。



2度目だし、昨年は通訳のお手伝いもしているし、ということで、最初の時のような新鮮な驚きはもう正直ないのだけれど、今回の学びを3つほど。

1、体で覚えたことは忘れない。教科書広げて「喘息患者の対処法」を頭に入れても1ヶ月で忘れそうだけど、ぜいぜひと呼吸困難になっている人を目の当たりにし、どきどきしながら処置した手順は、強烈に記憶に残る。体験は自信につながる。コンスタントなイメージトレーニング大切だなー。

2、risk/benefitのバランス。(放っておくと血が通らなくて組織が死んでしまうなら、単純脱臼は現場で措置したほうがいい、とか、ヘリコプターを呼ぶべきなのか呼ばずに済ませられるのか、とか)。で、そのリスクの大きさ、利点/不利点を考え、何をするかしないのか判断するのは、誰でもない「自分」という主体者意識が必須。そのための判断材料をくれるのが、この講習の講義内容。
(今回やっているのは、医療機関まで搬送が2時間以上かかるというアメリカでのWilderness環境という設定なので、フロントカントリーではさっさと医療機関に運べ、が正解)

3、姫川温泉の泉質はスバラシイ。源泉掛け流し、シャワーからも温泉ザバザバ〜。




wilderness medical associates




日本での取得は次は4月開催予定との先行情報入手。

2011年4月 2~5日 WAFA美方
4月10~13日 WAFA八王子
4月18~21日 WAFA長野校
4月23~26日 ブリッジ長野校

WAFA〈野外救急法資格取得コース〉



同じコースを受講したスミコさんのブログにも、細かく様子が。

脳みそは120%


自然の中での遊びは、大概が、自分と向き合い、リーダーシップを磨くにはぴったりの場だ。それが上手にできないと、怪我したりお腹すいたり夜中歩くはめになり、まあ、何か失敗すればすぐに痛い目にあうのは自分自身という、原因と結果が顕著なの世界なので、その辺りの感覚は自然と磨かれる。

以前学んだ、アメリカの野外学校の「7つのリーダーシップスキル」は、今でも手帳に張ってあって、何かあるたびに見直している。

NOLS Leadership Skills

There are certain skills that will make you a strong leader. These skills are the same — whether you're on an expedition or right at home. They are:


Expedition Behavior 
Competence 
Communication 
Judgment & Decision-Making
Tolerance For Adversity & Uncertainty 
Self-Awareness 
Vision & Action


そして、面白いことに、山で学んだリーダーシップスキルは、町の中でもそのまま同じように使えるのだ。

東京にいるとき、たまに、企業向けの体験型チームビルディング研修のファシリテーターをすることがある。先日も、スーツ&ネクタイ姿がビシっと決まった、第一線で働くビジネス戦士の方々に、都内の高層ビルの中の会議室の中で、フラフープを何度もくぐってもらった(というプログラムがあるのです)。

スペイン語で「易しい」はファシル。そう、ファシリテーターは、答えを言う役割ではなく、参加者の気付きを「安易に」してあげるつなぎ役なので、私からは何も結論は出さない。プログラムに参加した人たちが、その時間を通して何に気付くのか、それは毎回メンバーによって違うので、何度立ち会っていても面白い。

今回も、報告書をまとめながら、なんか素敵なキーワードが沢山あったので、ここにメモメモ。

書くと当たり前、なんだけどね。体を動かすことで、自然と気付くものって、本で読んで頭で理解した気になるのとは、全然理解度が違う。

*笑いのなかから生まれるものがある
*感動体験の共有が結束力を生む
*達成感の積み重ねが自信につながっていく
*自分の弱さをさらけ出す強さ
*「困難だけど楽しい」時が、一番成長する。
*もう無理、と思うところから、人は更に2割先までいける。


・・・あっ、これって、「ユーコン犬ぞり遠征隊」にも、そのまま当てはまるんじゃない?
(結論はそこか・・・)

春のユーコン:犬ぞり遠征隊
~ 犬ぞりを操り原野キャンプ、夜空に煌めくオーロラを求めて ~
日本発着最短日程:2011年2月26日(土)~3月5日(土) 8日間
詳細 http://www.expl.co.jp/shugaku/kikaku/11win/yxy/index.html

(問い合わせ&申し込みがここ数日、急に増えているようです。
定員8名なのでお早めにどうぞ!)

アラスカンガールの熊対策(地球の歩き方アラスカ裏ver.)

Crow Pass Trail, Alaska

このたび、ご縁あり(というか、しろくまmasaさんに声をかけていただいただけなんだけど)、某有名ガイドブックのアラスカ2011-2012年度版に、1ページのバックパッキング体験談を掲載させていただきました。(本屋に並んでいる書籍の中に自分の名前を見つけるのは、思ったよりも嬉しいことに気付いた。)

チュガッチ州立公園のクロウパストレイル
アンカレッジ郊外〜ガードウッドまでの26マイル(42キロ)の峠越え。昔、犬ぞり時代に使われていた古道。



8月の終わりの雨の朝、ひとり荷物をえっこらしょと担いで、アンカレッジからアラスカ鉄道に乗り一路ガードウッドへ。金鉱の持ち主だという豪快なおっかさんが運転するボロボロ車のヒッチハイクに無事成功し(車が停まらなければ、駅から登山道までプラス10マイルの道のりが待っていたので、これはとてもラッキー)、ガードウッドのトレイルヘッドから、この古道42キロを1泊2日で歩く。

途中、薮っぽい場所もあったが、基本的に道はついているので、たいしたことはない。

峠では氷河がドーンと目の前に楽しめ、金鉱跡があり、ブルーベリーやサーモンベリーがたわわになっていて、ツンドラがあり、森があり、人は全然いなく、グリズリーの糞はそこら中にあるという、アラスカな気分を一度に手軽に味わえる、ご機嫌なルートだ。(問題は、私の訪問時は、天気と視界が悪かったことか。写真があまりないのはそのせい。)

一カ所だけ気がかりなことがあるとすれば、ルートのちょうど真ん中にある、イーグルリバーの徒渉・・・、氷河の末端から3キロくらいしか離れていない氷河の川(=水温推定2度)、アラスカなので、もちろん橋など架けられていないから、腿の深さまでどっぷりつかり、数十メートルを渡らないといけない箇所。さらに、私が渡ろうとしているのは夕方(=氷河が溶けるので一番水量が上がる時間帯)で、その日は1日雨が降っている、という条件は、あまり好ましいものではなかった。

どうしよっかなー、明日の朝にしようかなー、だいじょうぶかなー、低体温症の対処はどうするんだっけ・・・と、どきどきしながら歩いていると、川の手前2キロのあたりで、道に迷って引き返して来たというアンカレッジ在住のアラスカンっ娘2人組に再会した。

この3時間前、峠で挨拶して、15分ほど先行していた彼女たち。大学職員のレイチェルと、テレビ局に勤めるケイティは、今年流行色のノースフェイスのレインギアを着ていたり、と、とてもおしゃれな(私とおなじ)都会っ子のように見え、と思いきや、腰には、グリズリー対策に、と、銃を携えている。(「ベアスプレーなんかじゃ無理よ〜」、って銃を持って歩くのは、アラスカ人の常識なの?)


季節終わりの平日、この日唯一出会ったトレッカー。流れの速い川は、一人で歩くより、複数で鎖になって歩くほうが安全度はぐんとあがる。「アラスカの神様、ありがとう〜」と心の中でお礼を言って、徒渉までの同行を頼んだ。「もっちろんよー。わたしたちも、オンナ二人で勇気あると思ったのに、あなたは一人なのー!?やるわねー」と、オンナ3人集まれば姦しい、グリズリーも除けて行くだろう大声で楽しく会話しながら、川へと向かい、ギャーギャー言いながら、無事川を渡り終えたのだった。






おまけ。
キャンプ場(ファイアーリングがあるだけだけど)に到着するまえに、川越えもう一回。倒木とロープが橋代わり。




Historic Iditarod (Crow Pass) Trail
Access: Eagle River Nature Center, or from Girdwood take Crow Creek Road to road end and Crow Creek Trailhead.
Travel Means: Foot only.
Distance: 26 miles or 50 kilometers one way.
Elevation Gain: 2500 feet or 762 meters to pass from Crow Creek Trailhead, 3500 feet or 1067 meters to pass from Eagle River Trailhead.

地図
詳細
お勧め度★★★★★



ps
このルート、毎年7月下旬にトレランのレースがあるらしい。優勝者は3時間台だとか。あの峠を超して、あの冷たい川を徒渉して!!いいなー!


July 24, Saturday - Crow Pass Crossing - Chugach Mountains
24 miles – Crow Pass Trail, Girdwood to Eagle River Nature Center
Race time 7 am  
Entry fee: $60 – Limited to 130 entrants
Rough cross-country & mountain trail
Registration forms will be available on-line May 2011 at www.goseawolves.com 




都会のネオンに囲まれた夜




写真は今年アラスカで押し掛け居候してお世話になった山岳ガイドの家と洗面所。
ミニマムでシンプルで機能的で、だから美しい。

家はまだ建築途中だ。いつ完成するかはわからない、という。「お金と時間がかかるから。」借金をして未来をフィックスするよりも、そのとき自分にできる範囲で、少しずつ作ればいいんだ、って、ブライアンは言っていた。




アラスカで魅せられたストイックな美しさ
嘘がない、無駄がない、見栄がない、虚飾がないことの潔さ

東京にいるときも、その立ち位置を保ったまま生活しようと決めていた
東京は故郷だから、ここを捨てなくたって、都会でだってそんな生活は可能じゃないかと

決めたのに

賑やかな街はいつだって
嘘と、無駄と、見栄と、虚飾でキラキラと輝き
心の隙間に入り込んでこようと
手ぐすねひいて待っている




気付けば
そのキラキラとした浮かれた街の中で
相手と場所にすりよったウソくさい立ち振る舞いをしていた

タバコの煙がもうもうと立ち上る
居酒屋の片隅で

きれいにお洒落して着飾った人々たちと
奇麗だけれどどこかカクカクと人工的な味の食事を
微笑みながらフォークで突く
テーブルの席の一角で

自分を偽って
へらへらと笑いながら相手にへつらう私に
心の中の冷静なもう一人の自分が小馬鹿にして鼻で笑う

オマエハイッタイナニヲシテイルノダ?

澱のように心の底に少しずつ溜まる疲労感

心が伴わない
自分の心に嘘をつくような時間を過ごすことは止めにしよう
きっぱりと捨て去ろう





8ポイントの後悔(朝霧ロゲ2010)


朝霧ロゲイニングの話題、今更だけど、もうひとつだけ追加。

ロゲイニングは、乱暴に言いきれば、「制限時間内」に、「地図上に記された広範囲に渡るポイントを、なるべく沢山取ってくる」遊びだ。

で、この制限時間内というのが曲者。だんだん疲れてくる後半、スピードも判断力も落ちてくる。適宜、自分とメンバーの体力気力をはかりながら、当初の計画を柔軟に変更していかなければならない。時間内に戻らないと、大きな反則点が引かれてしまうから、「時間厳守」の条件を入れた上で。でも、たくさんの点数を。

この、時間を計算しながら、リスクを取って点数を稼ぐのか、もう疲れちゃったし安全策を取ってポイントは諦め、余裕で間に合う時間に戻るのか、その判断がいつも難しく迷う。

今回は、5時間の制限時間。

4時間35分経過したところで、取りに行こうとしていた24点CPを諦めることにした。思ったより疲れていたし、思ったより登り坂だったし、ちょっと地図の読み間違いをしていて、思ったよりも距離が遠かったから。

あと25分かけて2.5キロを帰る。歩いても帰れる余裕の時間配分だ。そして、ゴールから800m行き過ぎた地点(ちょっと下ったところ)に、8点のCPが残っている。・・・取りに行くかいかないか?

2.5キロ+800m往復=4.1キロを、25分というのはギリギリの時間設定。どうする?

・・・諦めた。多分、「疲れちゃったし、どうせ8点だし〜」という甘えが、諦めモードにチームを追いやっていた。結局、24点CPも8点CPも諦めて、途中スナップ写真撮りながら歩き、そして11分も残してゴールした。

で、単なるゲームでどうしてここまで、と思うのだけれど、この「諦めた8点」が、すでに1ヶ月近くたった今でも心残りなのだ。決して無理ではなかったはずなのに、楽な方に逃げた自分に、ハラがたつ。

守りの人生なんて、つまんない。

8点を取りに行く姿勢を、いつだって忘れずに。

2010-12-02

お宝は里芋(朝霧ロゲ2010)

青空眩しい晩秋の休日、富士山の麓で大人の宝探し大会(=ロゲイニング Rogaining:
Rogaining is the sport of long distance cross-country navigation. Rogaining involves both route planning and navigation between checkpoints using a variety of map types. )に参加。

写真とともに、ロゲの魅力を。


開放感溢れる高原はただただ気持ちよい。
300人が出ているレースなのに、人混みとは無縁なのがロゲのよいところ。


宝物のありかを見逃さぬよう、常に地図を見ながら走る(歩く)。
経験するたびに、地図を見ての空間認知力アップを感じられるのがロゲのよいところ。1センチは250mで、だからこのペースで進むなら2分くらい、というカンが冴えてくる。


地図に載ってないお宝発見。
里芋一袋100円は買いでしょ!
寄り道自由なのもロゲのよい所。舞台となる街(村)にやたら詳しくなれる。


豚汁で一息つきながらも、中間地点で作戦会議。

レース中の休憩は、1度にふたつのことを同時進行。
トイレ待ちながらストレッチ。
給食とりながらその先のコースの確認。

デキル女になった錯覚を覚えるのが、レースのよいところ。
日常生活でもこのくらいパキパキといろんなことを片付けたいものだ。


道なき道を進む自由。
それこそロゲの最大の魅力。



5時間も6時間も飽きる事なくジョギングし続けられるのがロゲの魅力



制限時間まで11分を残してゴール
ロゲは時間に間に合わないと、1分間に10点とか大幅減点されていくので、
タイムマネージメント力を鍛えるのに最適の遊び。


競技人口が少ないので、表彰台までが意外と近いのもロゲのよいところ。女子は8チームしか出ていないなんて思い出さなければ、「優勝」の心地よい響きだけが後に残る。



備忘録:
経路:10-23-18-12-27-17-22-6-31-5-16-29-1-(2時間経過)-21-13-26-15-19-11-7-(4時間10分経過)-(24を取りに行くが時間なくて諦める)- (8を取りたいが気力と体力萎えて諦める)- goal(TTL:342)

反省:7の後、最後の50分間は1点も取ってない。東でなく西から回って14-3-8のルートを取れば良かった。これが取れていれば367だったのだ。24だけというのはリスキーだった。

将来の自分への申し送り:後半戦のバテを忘れるな/近くても探すのに時間かかるCPあり。時間と点数のバランスを考えた取捨選択/チームメンバーへの感謝の気持ちと助け合い



Japan Rogaining Association