2011-05-03

高く積もった新雪をラッセルするように(震災ボランティア)

Shihozan 274m, Miyagi
ボランティアセンターの壁の作品

お掃除し隊
震災から1ヶ月半、まだまだ、まだまだ。


4月の下旬の数日間、宮城県亘理町で、テント村でキャンプ生活しながら、ボランティア活動に参加してきた。(被災家屋の汚泥除去とか、支援物資整理とか、東北地酒消費活動とか。詳しくは、リーダーのレポートtwilogへ)


ある日の活動の帰り道、チームのリーダーが近くの山の展望台へ連れて行ってくれた。阿武隈川が雄大なうねりのカーブを描き太平洋へ注ぎ込む。山桜と若葉が美しい雑木林の、どうにも平和な春の風景の向こうには、津波の大きな爪痕が、まだそのままの姿で残されている。

自然が残した爪痕はどこまでも巨大で、その自然の前で、人間はどこまでもチッポケな存在だった。かなり外側にいる(当事者ではない)私でさえ、あの景色の前に立つと、呆然と無力感に襲われる。

ゴールは遠い。



話は飛ぶが、ふわふわの雪の上はとても歩きにくい。

雪が一晩のうちにどっかり積もって、それが腰の高さくらいまでの新雪だったりすると、たった1キロ進むのに、3時間も4時間もかかったりする。そんな深い新雪を前に、遠い遠い山の頂上を目指した日を、寝袋の中で思い出していた。先頭でのラッセル(雪を踏みならしながら進んでいく)作業は、たった3分で息があがるくらいに大変だけれども、疲れたら、一歩横にどいて、列の後ろにいる次の人にバトンタッチして、自分は最後尾に回るのだ。一人でなくチーム交代制でやれば、一人では無理な距離も、随分と歩を進めることができる。


今回、先頭での作業にあっという間に疲れ、最後尾(東京)に戻って来た私だが、日常生活を送りながらも、先頭で頑張る人たちに常に少し思いを馳せながら、また、次の順番が来るのに備えよう。

無理せず、みんなで協力して、少しずつ、少しずつ、ラッセルを。

自然の前で人は無力だが、人が人にできることは、きっと沢山ある。







ここは、駅、スーパー、テント村、VC、避難所、役所、自衛隊風呂がすべて徒歩圏内なので、自家用車がなくても、テント生活はかなり快適。現場へは、車を持っている人との乗り合い可。



・興味ある方は、この町の素晴らしいボランティアの運営システムは、この日記に詳しく書かれているので、どうぞご参考に。現地は、気持ちよく私たちが仕事できるような仕組みをきっちり作っていてくれているので、1日でも2日でも全然構わない。もし、やろうかな?って迷っているなら、何の気兼ねもなく参加したらいい。一般家庭の汚泥除去、入浴補助、役所の事務ヘルプ、炊き出し、援助物資の整理、思い出の品のクリーニング・・・日々のニーズはいくらでも、まだまだまだまだ、当分終わらずにありそうでした。そして、人の絆、優しさ、後方で応援してくれる家族や仲間のありがたさ、新しいコネクション・・・と、お金ではないリターンは、ボランティアする側もたくさん受け取れます。

災害時におけるボランティアハンドブック (pdf)

・状況は日々変わっていっているので、常に、その町のボランティアセンターで情報アップデートされることを強くお勧めします。

・4/28現在、救援物資として必要なもの(亘理町の場合):下着、夏用衣類(新品に限る!)、ファブリーズ、ころころローラー、笑顔






ボランティアに行かずとも、後方部隊、縁の下の力持ちもとても大切。




極北を愛する人の東日本大震災応援プロジェクト

http://justgiving.jp/c/6050 (寄付受付)

http://teratown.com/NPFP (写真ダウンロード)

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