2009-06-30

100k? 100k!

「彼女、そろそろリタイアだと思うから、よく注意しておいて」

50キロ地点で、前任者から引き継いだとき、そう言われた。

100キロウォークイベントのボランティア。最終チームの後ろについて安全管理しながら歩いている私は、疲れ果てた背中で、杖をつきながら歩く女性の後ろを、制限時間を気にしながら歩き始める。

途中のチェックポイントで見せてもらった足の裏は、慣れない距離に悲鳴をあげてマメだらけ。絆創膏とセカンドスキンなどで応急処置するも、制限時間ぎりぎりで歩いている彼女の、体調や疲れ具合からみたら、どうしたって15時間後、数十キロ先のゴールしている姿は思い描けない。追い打ちをかけるように、2日目の夜は、非情にも、冷たい雨が疲れた肩に降り注ぐ。

いったいどこまで頑張るかな、いつリタイアするのだろう、と、失礼なことを思いながら、その背中を見守っていた。


だけど、

だけど、

彼女は私のそんな気持ちを軽く裏切った。
彼女の頭のなかには、ちゃんとゴールが見えていたのだ。

「ここで泣くか、ゴールで泣くか」「大丈夫。大丈夫。」と自分に言い聞かせながら、48時間、歩き続けて、歩き続けて、金曜日の朝から数えて二回目の朝に、雨の中、ずぶ濡れの身体で、しっかりとゴールを踏んだ。





人間の限界は、自分が思うところよりもずっと先にある。


と、書いてしまえば陳腐このうえないけれど、彼女の無言の背中に、その事実を教えてもらった、今年のトレイルウォーカー。




受け止めた彼女の「力」があまりにも大きくて、
「私の限界値はもっと先にある~」と鼻息荒くなったその瞬間、

信越五岳 100キロ トレイルランニングレース 2009.9.

をクリック(申込み)してしまい、ただいま後悔中。
人は、なんであんなにツライ時間に、自ら進んで、身を置くのだ?
(ぺーサー&サポーター&道連れランナー 大募集中)



オックスファム・トレイルウォーカー

■自分の体力への挑戦 :標高差1200mの100km(小田原~山中湖)の行程を48時間以内で完歩。
■仲間とのかけがえのない経験:4人1チームで参加。事前のトレーニングからイベントの当日まで、励ましあってゴールを目指します。
■貧困から立ち上がろうとする人々への支援:1チームあたり12万円以上の寄付金を集めます(ファンドレイジング)。

今年は2009年5月に開催済み。


ワタシは、2年前は参加者として、ここ2年は、「ラストウォーカー」としてボランティアで参加中↓

3 comments:

な said...

頑張って下さいね。
信越五岳のスタートって斑尾高原レストランハイジなんですね。
4年間、ハイジの前のレストラントワサンクでバイトしていた私としては、いつか、参加しなければと思いました。
馬曲温泉が、昔のままだと、おすすめですよ。是非!

Anonymous said...

お久しぶりです。Ktです。
信越トレイルの写真、素敵です。
いつか「歩き」たいと思っています。

このエントリー、上から4行目、後ろの方の単語、言い換えた方がいい言葉だったような・・・。

Ryoko Betty, Aosaki said...

Ktさん、

おっと、ありがとうございました。直しました。気をつけます。