2008-09-16

Yukon 2008


前回の投稿から、ずいぶんと間があきました。数年前にブログを初めてから、ここまでお休みしたのは久々です。どうも、森に目を向けた生活をしていると、PC嫌悪病が発病するようです。


4年目のユーコンの秋。

北の大地は、いつだって、何度目だって、
その瞬間は魂ふるえるような、
後から思い返せば、じんわりと優しく心溶けていきそうな時間を
惜しみなく与えてくれる。


溢れ出る気持ち。
溢れ出て、このままどこかに流れ出てなくなってしまう前に、
書き留めておかねば。


というわけで、
久々にブログ再開します。

2008-08-05

そして辿り着くのはアラスカ、なのだ

photo by 「世界一周10年夫婦


森と
氷河と
グリズリー 

を 追いかけていったら、

クイーンシャーロット島を出だしに、いろいろな偶然と巡り合わせが私の旅路を思わぬ方向に決めていき、結局辿り着いたのは、カナダを跨いで、アラスカの地なのだった。やっぱり、アラスカ、なのだった。


この場所に出会えてよかった、この時間を過ごせてよかった、と思い出すだに心じんわり温かくなるような、でももう過ぎ去ってしまったことに切なく心苦しくなるような、そんな宝石のような瞬間が、2008年、またひとつ増えたことに、感謝。感謝。



このブログを更新しないのは、

1.ネットがつながらない場所にいる
2.その場所に没頭していて四角い電脳箱と向かい合うヒマがない

のどちらか、または両方の理由です。 書きたいことは、見せたい写真は、山ほどあるのだけれど。


まあ、というわけで、元気にアラスカ深南部を旅する私より、サーモン氷河から吹いてくる涼しい(ときに強すぎる)風を、暑中見舞い代わりに、チラリとお届けします。

2008-07-21

ワタリガラスは飛んでいく



「本来あるべきところにあるはずのものが、その場所から引き離された時、魔法の力は失われてしまうのよ。トーテムポールは、大地に根付いていてはじめて神話を語るの」


トーテムポールを守っているハイダ族の女性は、こう言ったという。






ここ、カナディアンロッキーに来てからというもの、何の贅沢もせず、爪に火をともすほどの節約生活に励んでいる。(自由の代償だ。)故に、ほとんど買い物はしていない。・・・していないのだが、唯一、早い時期に購入したのは、このワタリガラスのペンダントヘッドだった。店に入った瞬間に、カラスと目があってしまったのだから、しかたない。お持ち帰りしなくては。




人間とは何て身勝手なものか、と思う。



東京生活から比べたら、ここ、カナディアンロッキーは天国だ。ドライで涼しい気候、青く広い空、無数に続くトレイル、自然の近さ。

それでも、ふとした瞬間に、東京の家を懐かしく思い、毎年行っていた夏のアラスカの骨太な自然を恋しく思う。遠く離れたいくつかの場所に、思いを馳せては、「ここではないどこか」に、恋い焦がれてしまうなんて。


きっと、別の場所に行けば、この地層丸出しの石灰岩の岩山を、恋しく思うに決まっている。ここが懐かしくなるに決まっている。



それでも、微妙な座りの悪さを感じている今、自分の内なる声に従って、この場所を一旦離れよう、と決めた。

行く先は、ロッキー山脈を越えてずっと西にある島、へ。それもこれも、友人が、会うたびに「いいよいいよいいよ絶対に気に入るから行くべきだよ」と囁くからいけないのだ。ここ数年、気になってしかたなかったあの島は、ここからなら、そう遠くはない。



島が私の場所かどうかはまだ分からない。が、でも、アラスカのすぐ南にあるその島には、何かがある気がするのだ。早いところ、魔法の力を取り戻さなくては。


というわけで、急遽、明日の夜、カナディアンロッキーから次の場所へ旅立ちます。

カナディアンロッキーの秘湯を探せ



青空高く、雲ひとつない、本日の日曜日。
気温27度。暑い。

先日のバックパッキングですっかりファンになったKananaskisエリアに再び出向く。目的は、山の奥の温泉。1分間に50L,33度の温度で湧き出ているという。

「藪こぎをし、青い松ぼっくり林を越え、高山植物咲き乱れるメドウを登り、峠を越し、谷を降り、そしてさらに登ったところにある」という情報だけを元に、歩く、歩く、歩く。






道なき道をゆくのに、ふくらはぎと腕に、ひっかき傷、3つほど。
おお、あった、あった。




入ってきたよー。

先入観

松ぼっくりは茶色だ、と決めつけてはいけない。



このブログ、1月に引っ越ししてから、昨日で1万ビュー超しました。
世界のどこかで、細く、でも、つながってくれているあなたに、ありがとう。

2008-07-20

雪の下から瑞々しく力強く

Western Anemone, Kananaskis, AB, Canada

今年は例年になく、雪解けが遅いのだそうだ。7月半ばの今も、2000mを超す場所では、ところどころ、スノーパッチが残っている。

で、雪の下で太陽との出会いを我慢強く待っているのが、ウエスタン・アネモネ。ホヤホヤと産毛に包まれた瑞々しいBabyアネモネは、・・・それはまるで日本の春山で、フキノトウに出会ったときのような、季節の変化と生命の力強さを感じさせる、春の花。


産まれたてのBabyたちを踏まないように、そうっとそうっと、歩く。

5日間かけ、この山塊を一周

Mt.Putnik, 2940m / Kananaskis, AB, Canada

この岩山、このトレイル、気に入ったー。

カナディアンロッキー洗面所

▲Three isle Lake Camp Ground, Kananaskis, AB, Canada

ワイルドなバックパッキング旅の間だって、どんなに忙しい朝のひとときだって、顔は洗うし(石鹸は使わない)、髪も梳かす。毎朝の5分間、レディの嗜みを忘れてはいけませぬ。

で、顔を洗いにでかけた湖の、あまりの湖面の静けさに、手を入れてこの静けさを打ち破ってしまうのが躊躇われ、いつまでも洗顔できない朝なのだった。

宙に吊されたバックパック


カナディアンロッキーでのバックパッキング・キャンプといえば、やはり、クマ避けのこの景色。


行ってきたよ、5日間のバックパッキング。

カナナスキス、というこの地名は、カナディアンロッキーの中ではマイナーだろう。日本のガイドブックにはあまり紹介されていない。私も、恥ずかしながら、ここに来るまで知らなかった。だが、カルガリーからアクセスのしやすさもあり、地元の人には人気のある公園だ。国立公園ではなく州立公園のため、入園料がかからない、というのも人気のヒミツらしい。

そしてそして、このトレッキングといえば、

お決まりの氷河湖あり、
3000m近い岩山あり、
大陸分水嶺越えあり、
思わず「ドレミの歌」をハミングしてしまいそうな高山植物咲き乱れるメドウ・トレイルあり、
樹齢400年のイングルマン・スプルースと苔が鬱蒼と茂る深い森歩きあり、
角度45度あるんじゃないというガレ場あり、
5時間に渡る(・・・昨年のアラスカ以来の)Bushwhacking(藪漕ぎ)あり、
ほやほやのグリズリーの糞あり、木のひっかき傷もあり、
夜中テントの周囲をキュルルルルルゥゥゥゥと鳴きながら歩き回るコヨーテあり、
13時間の行動で疲れすぎて到着したキャンプ場でみたオレンジ色の満月あり、
天空を飛び回る白頭鷲あり、
誰もが一斉に黙って、ふとやってきた静寂で贅沢な時間もあり、

カナダ・ライフ2ヶ月にして、正直初めて、ああ、これがカナディアンロッキーなんだな、と思わせる、素敵な時間だった。 何もなく、でも全てが揃った時間だった。


Kananaskis Highlands Backpacking trip

公式リポート(所属会社の山行記録ブログ)

●Kananaskisはここ

大きな地図で見る



●そして私、つかの間の休息中。