ふっ、と。
何かに誘われるように目が覚める朝4時55分。ふだんは、放っておかれたら、地震がこようと火事になろうとびくともしない、8時間完全熟睡型な私には珍しい、早朝の自然な目覚め。
乾いた喉を潤しに、キッチンへと向かう。この時期は、まだ闇の時間帯なはずなのに、何かが違った。西向きに面した大きな窓枠の黒い影が、微妙に明るく光るフローリング床にゆらゆらと反射している。不思議に思って窓の外をのぞくと、オレンジ色に燦然と輝くまぁるい月と、目が合った。
これほどに明るい夜は、月光の明るさだけで雪の上を歩き、そしてやわらかな月光に包まれて、雪の上で眠りたい。
1ヶ月に2度満月がくる、2度目の満月のことを、Blue Moonと呼ぶのだそうだ。日本は1月(1日と30日)だけど、時差によっては、大晦日、ちょうど年の境目が、Blue Moon、だなんて、なんだか素敵な1年の始まり。
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2010年、あけましておめでとうございます。今年も北海道産小豆を、きび砂糖でコトコト煮たお汁粉は、ほんのり甘く、いい具合に作れました。
早速いただいた年賀状には、(私は気分が暮れ押し迫らないと年賀状、2010年への気持ちを書き出せない気質なので、元旦に届く年賀状には、頭が下がります)、「今年はどこで年越しですか」「またアラスカでしょうか」と書かれているものが多かったのですが、2010年は、東京の自宅で、地味に小豆を煮て年を越しました。
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ほんの数年前までは、ニューヨークやグランドキャニオンやカリブ海やアラスカでオーロラ見ながら、と、バタバタと海外に飛び、0時になるとクラッカーを鳴らしシャンパンで乾杯して、と、(まあ、仕事とはいえ)、派手な年越しに命をかけていた自分が、小豆を煮て家でしっとりと年を越すのも悪くない、と思えるようになるなんて、大人になったのか、年をとったのか。
でも、私にとって、「ハレ」の地であるアラスカが、「ケ」である東京の日常生活を変えたのは事実で、彼の地にいれば、すべては祭りのように分かりやすく感動する景色と毎日だけれど、この、排ガスでいつもくすぶった青色の東京の空の下においても、細やかな感動と美しさは、意外と多く転がっているものだ。その美しさの欠片を、日々丁寧に拾えるようになった自分は、やはり大人になったんじゃないか、と思うのだ。
このブログを更新しないのは、やはり、ここでは、しっかりと「ハレ」な場所を描きたいと思うからで、東京の日常生活の小さな毎日の欠片は、ここにわざわざ載せるまでもない。毎日のだらだらした日記には、意味がないと思うから(それは日記帳に個人的に書けばよい)。
ところが、今年で使い始めて3年目になるtwitterは、140字という文字制限が、俳句川柳のようであり短歌のようであり、心動いた瞬間を切り取っていくには絶好のツールだと最近気づいたのだ。
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というわけで、ここに更新するまでもない「小さな欠片たち」は、下記のページで淡々と拾い集めていますよ、というお知らせで、年の初めの挨拶とさせていただきます。今年もよろしくお願いいたします。
http://twilog.org/wildernessryoko (ブログ形式)
http://twitter.com/wildernessryoko (twitter)
4 comments:
私も今朝早く目がさめてしまい、Webを眺めていました。
朝日が昇るときって何か神秘的で綺麗ですよね。時々早朝ランをしますが、暗いうちにスタートして朝日が昇り始めると、もう少し走ろうと頑張ることができます。
良い一日でありますように。
私は今日、会社の仲間と高尾山へハイキングに行ってきます。
1月1日の満月は、排ガスも少ない空だから、余計にきれいに見えたんでしょうね。あ~、まだ暗いうちに起きたのに、見なかったよ…。
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
大晦日は猛吹雪で月は見えませんでしたがその前夜、真夜中に外を眺めると雲間から(ほぼ)満月が見えました。世界を埋め尽くした雪に反射して、明るかった。
テントから抜け出し、月明かりのなか降ったばかりの雪を踏みしめ、この世界には自分一人しかいないのではないかと思える静寂の世界がふと目に浮かぶ
>140字という文字制限が、俳句川柳のようであり短歌のようであり、心動いた瞬間を切り取っていくには絶好のツールだと最近気づいた
ぼくの場合はまだ色々試している最中ですが同感です。
パブリッシュしている、ということに迷いはありますが楽しいです。ただこれほど自由度の高い難しいツールがよく流行しているよな、とも。
twitter @oga3po
とってつけたように:)
あけましておめでとうございます。楽しい一年になることをお祈りしております。
明けましておめでとうございます。
例によって極北カナダに来ています。流れ流れ、ツクトヤクツクというベーリング海に面した町で新年を迎えました。
しばらく太陽を見ていないので、暖かな光が懐かしく感じます。
今年もよろしくお願いします。
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