2008-04-25

くじらと人間だけが

ロジャー・ペインが、クジラの話をしていた(・・・映像の中で)。

「この地球上で、人間とくじらだけが、夜、何も恐れずに眠れるます。体が大きいということは、それだけ特別に優位なことなのです」

というような台詞が忘れられない。

人間が、恐れることがないのは、文明に守られているからで、
いったん、その文明から離れてしまえば、人間だって、夜は、怖い。

その怖さを知ったとき、ああ、私もこの地球に生かされている小さな生き物だなあ、と納得したのだ。そうそう。そして、家のベッドの果てしない安心感に、感謝する毎日だ。(だから家にいるときは、外で寝れない分をカバーするべく、たくさん眠る)

夜の怖さと
月光の明るさを感じられるのは、

そう、このツアーですよ。


***

■「秋のユーコン(山) 紅葉の原野キャンプの旅」
日程: 8月30日(土)~9月6日(土) 8日間
発着場所: ホワイトホース (カナダ)
詳細はこちら

■カナディアンカヌーで下る秋のユーコン原野160キロの旅」
日程: 9月6日(土)~9月13日(土) 8日間
発着場所: ホワイトホース (カナダ)
詳細はこちら

■「ユーコンの夕べ」 5/15(木) 
興味をもたれたら、まずこちらから
詳細はこちら

上記すべて、お問い合わせは「地球探検隊」


2008-04-18

核をぶらさず

以下の文章、「本」を「旅」、「冊」を「国・地域」に言い換えてみる。

私が追求しているのは、そんな旅の提案。 で、
その旅の形は、北米の自然の中にある。


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「時々こんなに私は本を読んでいると自慢する人もいるけれど、冊数をのばすだけなら誰でもやろうと思えばできることだ。その中で、何冊心に響く本があったか、一冊でも人生を変えるような本に出会ったのか、その方がよっぽど重要なことだと思う。私も何度か、読んだ本に人生を変えてもらったし・・・」
(「そして私は一人になった」 山本文緒)


2008-04-16

【ようやく発表】9月北極圏の旅



カナダ・ホワイトホースの空港に到着し
飛行機から出た瞬間、毎度驚くのは、
空気の粒が、ピチピチと瑞々しくて透明なことだ。

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透明な空気のなか底抜けに深く広がっている青空を
今年も9月にお届けします。

安全性、旅の目的、自然へのダメージを考え、
いずれも参加可能人数が少ないので、どうぞお早めに。

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■「秋のユーコン(山) 紅葉の原野キャンプの旅」
~ 極北ユーコンの秋ツンドラの紅葉をゆく チュームストーン州立公園、
                          北極圏、オーロラ ~
日程: 8月30日(土)~9月6日(土) 8日間
発着場所: ホワイトホース (カナダ)


■カナディアンカヌーで下る秋のユーコン原野160キロの旅」
~ 原野(Wilderness)でのキャンプ体験、カヌー、焚き火、
                   釣り、川に映るオーロラ ~
日程: 9月6日(土)~9月13日(土) 8日間
発着場所: ホワイトホース (カナダ)


■「ユーコンの夕べ」 5/15(木) 
興味をもたれたら、まずこちらから

上記すべて、お問い合わせは「地球探検隊」

持つべきか持たざるべきか


いつまでたってもトップロープしかしていない、「ロッククライミング1年生ずっと留年中、いつまでたっても進級できず」、な私が


この夏のカナダの(ただでさえ多くなりそうな)荷物リストの中に
クライミングシューズも果たして加えるべきなのかどうか、

悩めるところだ

岩盤浴場


本日の岩盤浴場。
伊豆・城山。

***

桜が散った後にやってくる
新緑一斉に芽吹き
草いきれでむせそうな
森が力強く前に進んでいくこの時期、って

いいね

(花粉の)アメニモマケズ


今日は、
新しい岩盤浴方法をご紹介します

よく晴れた、麗らかな春の昼間12時。
場所は伊豆の原生林の中ににょっきり聳える岩山。
鶯ののびやかな鳴き声をBGMに。

午前中思う存分登って疲れた手足を伸ばし、
岩にもたれかかれって
トンビが気持ちよさげに周回している
空を見上げる。

新緑からもれるやわらかい春の陽シャワーを全身で浴びる時間の
なんとpeacefulで幸せなこと、か

目に見えるほどの黄色い花粉のシャワーも全身に浴びてしまうのが、玉に瑕

ハッッッックション
@城山

2008-04-14

重量の対価


衣食住全部背負って歩くだけの価値ある景色に出会える幸せを、
未経験の人にも経験してもらえるような、
そんな旅を提案できるようになったらいいな、と
ここ数年、ずっと思っていたのだった。
そして
北米には
そんなトレイルが驚くほどに沢山ある。

2008-04-10

秋に蒔いた一粒の種が芽をだして


昨年の秋に蒔いた一粒の種が、小さいけれど、確かな芽を出した。
大切なこの芽は枯らさないように、そうっと、そうっと、育てていこう。
来年は、もう少し大きくなるように。

2008-04-08

判断する力


と、まあ、そういうわけで、
久々の猛勉強の末、昨日、無事に合格証を手に入れ、桜すでに散ってしまい花見のチャンスを逃した東京に戻ってきました。

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Wilderness context...
Any occation when transport to a hospital level facility will take more than two hours.

今回勉強した「野外救急」の、「野外」の定義は、「病院に運ぶまで2時間以上かかる場所」。私が携わっているアラスカやカナダやアメリカの大自然の中では、(いや、奥多摩だってそうだし、災害があれば都市部だった同じ状況なのだが、)そんな場所がほとんどで、

そんな場所でサルに噛まれて血を流している人、倒れて意識のない人、ハチに刺されアナフィラキシー症状が出た人、凍傷になった人、産気づいた人・・・に出会ったら(または自分がそうなったら)、今まではオロオロするだけだった。

都市化された自分は、オフィスで仕事をする代わりに、他の「生きる力」は全部お金を出して外注するのが当たり前になりすぎていた。そんな自分が大自然の前に立てば、あまりにも無力だ、と気づいたのはいつのことだったろう。そして、その無防備さを思うと呆然となるのだ。

今回取得したWilderness First Responder という資格は、日本では多分全然知られていないけれど、でも北米でアウトドアに関する仕事に携わる人間にとっては最初に求められる基本的なものなので、今夏カナディアンロッキーで働く自分は、必要に迫られて受講した、という面もあるが、

それよりも、多分、都市に去勢されすぎている自分を補正するために、つまりは、エプロンフリフリのパン教室に通ったのと同じような理由で、今回の知識を、「状況をみて自分で判断できる」だけの知識を、身につけたかったのだと思う。

「極端な話、骨の名前も怪我の名前も病気の名前も覚える必要はありません。それは、医者がすることです。でも、目の前で苦しそうに倒れている人をみて、その人が、「どれだけすぐに」病院にいくべきか、「命に関わる可能性はどのくらいなのか」、を、推測できるようになってほしい」、というインストラクターの最初の言葉。

そして、実習中は、「何でその処置をしたのか」「そう思う理由はどの症状をみて判断しているのか」が、繰り返し問われた。ただ一つの正解は存在しない代わりに、判断する力を徹底的にたたき込まれてきた。



***

そして、ひとつ自信をつけて戻ってくると、友人の日記にこんな文章が。
この一冬、アラスカ荒野に生きる男たちに弟子入りしていたワカメちゃん(女性)が、彼らから言われたのだ、というこの一言は、アラスカが教えてくれた大切な芯の部分を、思い出させてくれたので、ここにも載せておきます。 街に生きる人に、こんな瞬間を感じられるような旅が提供できたら、という想いと共に。

「You gotta take care of yourself because we can't take care of you.

"自分の面倒は自分でみるんだ。人に頼ったら自然に負けるから。 アラスカを好きなら、ここにいたいのなら、君に知ってほしいこと。 複雑ではないよ。自分と自然、それしかないとき、とてもシンプルだ。生きぬくこと、この大地の中で生き抜くこと、それしかないんだ。自分と自然の間に隙間がなくなって、自分が確実にその一部であると知るんだ。"」



2008-04-06

骨盤骨折は痛いよ

昨晩は、

「寒い雨の中ハイキングにでかけ、きれいな稲妻をみたくて木に登り、雷にあたって木から転げ落ちて動けなくなっている男性、他計4名」を、

夜中に救助、ヘリまで搬出。 (という実習。)

***

骨盤損傷は、すごーーーく痛い怪我なので、
雷の日は、外になるべく出ないようにしましょう。

2008-04-05

モンキー・アタック

「4人で楽しくキャンプをしていた。食事の準備をしていると、テントにサルがやってきて、彼らを襲う。サルを追い払おうとしたAさんは手を噛まれ、それをみて、手に持っていた包丁でサルを脅したBさんは謝って包丁で自分の手を刺し血まみれに、ストーブを使っていたCさんは、食物を守ろうとして慌てたのでストーブを蹴飛ばし顔と喉を大やけど、それを目の当たりにしたDさんは、精神状態がおかしくなった」

というシチュエーションに通りかかった場合の処置を、実習したのが3日前。

この救急法は、座学だけでなく、実習も多い。

初日は、「呼吸と脈がなく横たわっている人」に、CPRをするだけだった実習も、知識が増えるにつれ、だんだん設定が複雑になっていく。患者役は迫真の演技をし、救出者役は、自分の持てる知識を全て使って、彼らの処置をする。


で、今日は、夜7時から、大がかりな実習が暗い山の中で始まります。

2008-04-04

つかのまの


長野のはじっこのここは、日本海が、新潟が目と鼻の先だった。
つかの間の息抜きは、カニ、カニ、カニ。

うま。

野外救急勉強中につき



今週は、

7時 起床
7時半 朝食
8時半~ 授業開始
12時半 昼食
~18時半 授業終了
19時 夕食
20時 宿題
22時 自習
23時 風呂
24時 睡眠

という規則正しすぎる学生生活を送っています。
日記更新もならないほどの忙しさなので、授業の様子は、OBSのブログでご確認を。

2008-04-01

とく、とく、とく

実習で、聴診器を使って、心音と肺音を聞く。

とく、とく、とく、とく、とく、とく、とく・・・

一定のリズムで奏でられるこの音は

シンプルで
暖かくて
安心できて
人体の奇跡をしみじみ感じさせる音なのだった。



***

day3。
今日は、神経と脊柱と搬送。
山で汗かいたら、しっかり、水飲みましょう。