2009-02-12

雪の森でヒミツ基地最終章:僕らの基地へようこそ

あ、コドモとの雪キャンプの話、まだ終わってませんでした。(その1その2その3
もうひとつ、書きたいことがありました。

キョーカちゃんから手紙が届いて、思い出した。



数年前、オトナ向けに「スノーシューで雪の森を遊ぼう」企画をたてた。賑やかなスキー場に背を向けて、その奥の山に入ってみたら、静かな雪山は驚くほどに美しいよ、という趣旨で。

一緒にやってくれることになったガイド会社が準備してくれたのは、こんなもの。

最新のスノーシュー&ストック。
お尻の下に敷く橇。
雪の上で豪華ランチをとるための、「煮込み饂飩セット」や「チーズフォンデュセット」や「タイカレーセット」や「関西風うどんセット」や、そのためのストーブや鍋など調理器具いろいろ。
防水カメラ。
ビーコンとプローブ。


誰も踏んでいない、新雪の上を歩くのは楽しく、歌謡曲の聞こえない(=スキー場じゃない)雪景色は新鮮で、教えてもらって恐る恐る挑戦した坂滑りは久々にスリルを味わえ、そして、雪でつくってくれたテーブルの上でのチーズフォンデュは、「おお、Bepalの表紙みたいじゃーん」と、アウトドア気分満載で。

オトナなんだから、こうやって、道具つかって、お金つかって、優雅に雪遊び、っていうのはそれで楽しいのだけれど、考えてみれば、これは、自分でつくりだした時間じゃなくて、ガイドが演出してくれた時間、でもある。(それがイケナイ、と言っているのではありません。とても素敵な1日です。)



今回のコドモ雪キャンプでは、「丸一日、裏の森で遊ぼう!」な日があった。都会の子供たちだし、何だよスキーしにきたんだぜオレは!と、最初はあまり乗り気でない子もいるし、用意されていたのは

・シャベル数本
・バケツ数個
・肥料袋

くらいの簡素なものだったので、どうかなぁ・・・、と思っていたら。

ヤツらは、私の心配などよそに、森を大満喫していた。インストラクターは、安全管理するくらいで、何も口出しもヒントもださない。それなのに。みつけてくるのだ、次々と、おもちゃを。というか、森と会話して、遊んでいた。(写真はこちら



オンナノコたちは、カマクラを作り始める。カマクラ、というか、そのための雪の山づくり。えんえんと、ひたすらに、雪を積み上げる。

上級生たちは、雪を集めるためのコースを作り、その採雪所まで毎回出かける。なんでそんな遠くまでにいくんだ、すぐそこにあるのに、と聞く私に、「あのねぇ、ベティ。日なたの雪の方が固まりやすいでしょ。それに木の近くの雪は柔らかくて最上の雪なのよ」と、当然じゃない、なんでわからないの、とがっかりされた。

下級生たちは、その山を飾り始める。最初は、木の枝で立派な門をつくり。そして、いつのまにやら、雪の下に流れていた凍った沢を探し出し、泥のなかから、そりゃ立派な、高さ20cmはあろうかという霜柱を大量に発掘した。キラキラと、宝石のように輝く氷は、カマクラを豪華にする装飾品。私にはとても見つけられない、雪の下に隠れた霜柱。「すごいねぇ」と採雪所を見に行くと、「ベティも見てないで手伝って!!」と怒られた。


オトコノコたちは、ヒミツ基地づくりだ。

枯れ枝を拾ってきて立体的な陣地をつくる。入り口には敵を欺くための落とし穴、基地の外に絶妙な形の立ちションベン所。しなっている大きな木のバネをテコとして上手に利用しての筋肉トレーニングジムで、体力増強も欠かさない。「ああ、ベティも入っていいですよ。どうぞこちらへ」と、恭しく迎えられた秘密基地ホテルは、居心地よくて、つい長居してしまう。



あの感覚は、オトナになると忘れちゃうのかな?
地球と会話して遊べるのは、コドモだけの特権??

むかーしむかし、自分も持っていたはずの、やわらかな想像力と目線を、少しだけ思い出しながら、ヤツらと真剣に、雪まみれとなり肥料袋で橇遊びした1日だった。



このプログラムをオーガナイズしているNPOは、理念が素敵だ。

五感を研ぎ澄まし、
森で過ごした時間の中に、
楽しい暮らしをつむぎだすヒントがあるはずです。
私たちは、あなたと森をつなげます。



インストラクターのあっきぃは、「メッセージを伝えるプログラムなんて、本当はいらないのかもしれない。「場」の力を信じる空間作りに興味があります」と、最後に話してくれて、

それは、自分のフィールドにも当てはまるような、いつもとは少し違う目線から、たくさんのヒントをもらった、小学生ウインター・キャンプ。

ありがとう。

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