@Kluane NP, Yukon Canada
誰もいなくて何もない、
頼れるのは本当に自分だけ、という大自然のなかで
一晩過ごすと
自分の息づかいと大自然の鼓動が徐々に重なっていき、
覚悟をした、ということなのか、自分の弱さを受け入れた、ということなのか、うまく説明はできないのだけれど、いつのまにか、「恐れ」は「畏れ」へと静かに変化し、心は、波ひとつない鏡のような湖面ほどに、しん、と静まりかえっていた。
しん、と静まりかえったのは私の心だけでなく、外の世界も同様で
朝、目覚めると
昨晩、私を恐怖に陥れた風は見事にぴたりと止んでおり
圧倒的な静けさのなか、
昨晩より一層白く雪化粧した山肌と
群青色の空に光る一筋の月が
おはよう
と、優しく微笑んでいた
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