友人の家に招かれて夕食をいただく。テーブルの上に飾られた一輪のバラの花からかすかな香り。
前日までガイド業で家にも帰れない多忙な日々だったと語りながら、キッチンに立ち楽しそうにフライパンを操る友。
食事だけでなく、その空間全てが、もてなしの心で満ちあふれていた。
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飲み屋にて、マイ箸をさりげなく鞄から取り出しながら語る友。
「後輩の誕生日に、コーヒードリッパーを贈ったんだ。彼は、見るたびにいつも缶コーヒーを飲んでいるから」
そのプレゼントに込められた想い。
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カナダの森の中で生活した夏、近くに昼食を買える場所はなかった。町の中にいても、レストランで食べれば軽く20ドルは飛んでいく。だから周囲の誰もが弁当を持ってきていた。それが弁当と日本では言えないほどの、タッパーに詰められた昨晩の残り物だとしても。
不便だから1日をきっちり計画し、予め自分で準備をしなければならない。面倒くさがると、還ってくるのは昼食抜きの空腹。
あの夏を経て、今、私はコンビニのおにぎりは買わない習慣がすっかりと身に付いた。たとえ朝4時起きしてでも、おにぎりを握っていく。米を買う量が以前の倍だ。
手作りのおにぎりは、コンビニの便利なそれよりも、圧倒的に美味しい。
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毎日の、小さな、でも大切なことを
「忙しい」という理由で疎かにしないように。
バランス、バランス。
1 comment:
さぞかしボリュームのある、しっかりと握られたおにぎりなんだろうなぁ。
次にまた一緒にキャンプ生活などすることあれば、是非、おにぎりをごちそうして下さい。
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