2009-10-22

Eyes to see, Ears to hear (ヨセミテ#2)

▲Panorama Trail, Yosemite NP, USA

Everything has beauty,but not everyone sees it.  -孔子

It seems strange that visitors to Yosemite should be so little influenced by its novel grandeur, as if their eyes were bandaged and their ears stopped.  -John Muir



世界遺産、ヨセミテ国立公園。

サンフランシスコから片道5時間、と、無理すれば日帰りできる近さに位置する便利さが幸いし(または仇となり)、アメリカで一番ビジター数の多い公園。

ここ数年のアラスカ通いで、すっかり自然の「大きさ」に贅沢になってしまった自分には、こんな人が多い場所なんて果たしてどんなものかいな・・・、と、食わず嫌いになっていた部分があるのだろう。サンフランシスコに立ち寄ることがあっても、ここまで足をのばす気には、なかなかなれなかった。

だから今回は、「2週間でアメリカの国立公園を6つ見る」なんて無謀なツアーを企画していたその昔、添乗の仕事で訪れて以来、たぶん、10年ぶりくらいの、本当に久々の訪問で、個人旅行としては、初。


その昔の添乗員目線で覚えているヨセミテ(当時の滞在日数1泊)といえば、

・グレーシャーポイントまでの山道は車酔いするから注意
・アワニーホテルで豪華なランチをいただく
・落差が世界規模の滝がたくさん

くらいの乏しさで、

数年前に企画したカリフォルニアをドライブするツアーでのヨセミテといえば、

・ハーフドームの頂上に登れる

だけの意味を持つ場所で、



だから、まさか、この場所の、

神々しいまでに威厳と存在感をもつ花崗岩の巨大一枚岩、
その奥に雪化粧をして続いているハイシエラの山々、
岩から流れ落ちるそして岩の隙間から染み出てくる水のエネルギー、
天に突き抜けるように大きく育った松と檜とオークの森が奏でる森の声、
氷河の力をすぐ傍に感じさせる谷の深さと転がるボルダー、

その全てが完璧に調和して成り立つヨセミテバレーの景色の一瞬一瞬に

これほどまでに心奪われるとは、

前回、私は、いったい何をどこを見ていたのだろう
なぜゆえに、何も感じられなかったのだろう
と、不思議になるほど

ナチュラリスト ジョン・ミューアが愛したこの場所は、凛と引き締まった秋の空気が満ちる谷のなかで何日か過ごすうちに、

わたしの心までも、すっかり虜にしてしまったのだった。

1 comment:

らぐじ~ said...

そうだよね。やっぱり1週間ぐらいは滞在しないとなぁ。
でも、ホントに人が多いよね…。