|
inspired by nature ... ARC'TERYX |
前からね、ここのショップに立ち寄ると、服やバックパック1つ1つの色の多彩さに圧倒されて、色の見本帳を見ているようだ、カラーパレットだ、って内心思ってた。カナダの(高級)アウトドアブランド、ARC'TERYX(アークテリクス)。
今まで日本では、男性物がほとんどだったけれど、今年から女性部門も充実するよ、一度遊びにいらっしゃい、というお誘いをうけ、2月の良く晴れた日、ノコノコと金町のショールームに足を運ぶ。
春らしい、見ているだけでウキウキとスキップしたくなる新色のウエアに囲まれながら、女性スタッフのルリさん&ユミさんコンビが、興味深い説明をしてくれた。
「アークテリクスには、色を考える専門家がいるんですよ」
と、その専門家(これも女性だった)のインタビュー記事を差し出す。
ーーー色を選ぶとき、それは必ず魂と深さを併せ持つ色でなければなりません。色の直感の厳選は、自然だと思います。母なる大地が色を与えてくれるのです。・・・木や植物はメッセージを色で伝えていますーーー
「きれいな自然を背景に、スナップ写真を撮るでしょう?そこに写った自分をみると、大量生産でできたであろう、安物のサンダルの人工的などぎつい黄色だけが、風景から浮いて見えたことがあるんです。」
「化粧品選ぶのとね、同じだと思うんですよー。この色とこの色を組み合わせたら、きれいかなー、とか。その人のセンスで自由に。カタログのモデルさんが着ている服も、ほら、この写真の景色のなかにある色を組み合わせているんですよ」
むぅぅぅ、なんか新鮮なアイデアじゃない!?
今まで、アウトドアで着る服って、雨風に強いとか、暖かいとか、軽いとか、このカッティングが便利とか、機能でばかり見がちだったけれど・・・、色に関しては、自分に似合う色、似合わない色、っていう「自分」主体の視点では考えるけれど・・・、
「アウトドアフィールドに入ったときに、景色と自分(の服の色)が調和していること。ハーモニーを奏でていること」
っていう観点で、着る服を選んだことって、今まであったかな?
でも、色にインスパイアーされる、って話はわからなくはない。
昨年夏、高山植物咲き乱れる初夏のヨーロッパアルプスで毎日を過ごしていた私が現地で新調した服って、紫と緑だった。そう、ピレネー山脈にひっそりと咲いていた、あの蘭の色にそっくりな。
この間、(蛍光色に近いくらい明るい)緑色のジャケットを街中で羽織って待ち合わせ場所に登場した私に、100%都会人の友人は「おまえ、その服、派手すぎじゃん?超目立ってるよ・・・」と冷たい視線を投げ掛けたけれど、あれは、ヨーロッパアルプスの森にあう色でも、モノトーンな都会ジャングルでは浮いてたのかなー。
|
Orchid in Pyrénées Mountains, Jun. 2010 |
自然の中にいると、自然と五感がシャープに研ぎすまされてくる。というのは、このブログで何度も繰り返していることだし、私の最近のテーマだ。
昔、マチュピチュにいくインカトレイルの道中、現地ガイドのセサーは、夜明けの空に浮かぶ細い月を見ながら私にささやいた。「きれいなものを感じる心を育むには、きれいなものを見続けなくちゃいけないんだ、だから僕は山が好きなんだ。」
そうそう、自然が奏でる美しい風景の中に身をおいて、色彩感覚も、自然からヒントもらって磨いていきたいなー。アークテリクスの、カラーパレット並に色溢れる店にいっても、自信もって重ね着コーディネートできるくらいの感覚、を。
というわけで、来週からのユーコン犬ぞりは。
バックパックもウエアも、ルリ&ユミお見立ての、アークテリクスのギア一式に身を包んで出発。ぷぷぷ。ユーコンの原野に溶け込んでくるのだ。
***
という話で盛り上がった夜、家に帰って、iPhotoに入っている写真を見返す。
|
(そういえば、アラスカのこのときの船の上、2人ともARC着用。) |
|
(これもアラスカ。周囲とジャケットの色、調和してる?) |
***
(銀座。立地といい店構えといい・・・、お洒落すぎて、落ち葉や泥やてんとう虫の死骸をくっつけた私の普段着姿では、ちょっと気が引ける・・・)
(金町。昭和の香りぷんぷんする下町の一角。倉庫を改装した遊び心溢れる店内は楽しくて、気持ちがくすぐられる。アウトドアと洗練されたセンスを融合させるとこうなるのだなー、っていう見本みたい。)
WESTERN TRAVELER
ARC'TERYXお店のブログ
(蛇足:カラーや性能はもちろん・・・、カッティングが秀逸で、アークテリクスの服を着ると、ずんぐりな日本人体型の私でも、スタイル3割増、山の技術も3割増に格好よくみえるという事実も、見逃せない重要な要素。機能性と美しさの両立!)