2008-02-26

北の大地便り#8 シャラン、シャランと雪印



寒くて乾燥したところでは、雪は、ちゃんと六角形の雪印マークで降ってくるのだ、と知ったのは、2年前のアラスカの冬。アラスカの知人は、「そんなの当たり前だよ」というけれど、

いやいや、雪は、ボテボテと丸い固まりで降ってくるものなのだよ、東京では。 ねえ?




昨晩の雪も、シャラン、シャラン、と音を立てて降り積もり、

そして、朝、窓の外を見れば、純白の雪印スパンコールが、大地一面にふわふわと、そう、綿菓子のように、ふんわりと、広がっていた。

いつものように、パンと卵とオレンジジュースの朝食を済ませた私は、極北地方御用達・ソレルのごっついブーツを履いて、チナ川の支流の上(=凍っているので、川の上は快適な散歩道)を、1時間ほど、雪印を踏みしめながら散歩する。


手に持てば一瞬で解けてしまう、その儚い芸術品たちは、自分が身をかがめて、雪面に近づくしか鑑賞方法はないのだが、光の角度によって、キラキラと、すべてが正しく六角形に、すべてが個性ある六角形に、存在していて、

遠くからみたら、地面にかがみ込んでいる自分はとても奇妙な姿なのだろうが、雪につけている膝やほっぺたが、かなりな具合に寒いのだが、
その芸術品たちに魅せられてしまい、いつまでも、いつまでも、見るのをやめられないでいる私なのだった。

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