2008-07-21

ワタリガラスは飛んでいく



「本来あるべきところにあるはずのものが、その場所から引き離された時、魔法の力は失われてしまうのよ。トーテムポールは、大地に根付いていてはじめて神話を語るの」


トーテムポールを守っているハイダ族の女性は、こう言ったという。






ここ、カナディアンロッキーに来てからというもの、何の贅沢もせず、爪に火をともすほどの節約生活に励んでいる。(自由の代償だ。)故に、ほとんど買い物はしていない。・・・していないのだが、唯一、早い時期に購入したのは、このワタリガラスのペンダントヘッドだった。店に入った瞬間に、カラスと目があってしまったのだから、しかたない。お持ち帰りしなくては。




人間とは何て身勝手なものか、と思う。



東京生活から比べたら、ここ、カナディアンロッキーは天国だ。ドライで涼しい気候、青く広い空、無数に続くトレイル、自然の近さ。

それでも、ふとした瞬間に、東京の家を懐かしく思い、毎年行っていた夏のアラスカの骨太な自然を恋しく思う。遠く離れたいくつかの場所に、思いを馳せては、「ここではないどこか」に、恋い焦がれてしまうなんて。


きっと、別の場所に行けば、この地層丸出しの石灰岩の岩山を、恋しく思うに決まっている。ここが懐かしくなるに決まっている。



それでも、微妙な座りの悪さを感じている今、自分の内なる声に従って、この場所を一旦離れよう、と決めた。

行く先は、ロッキー山脈を越えてずっと西にある島、へ。それもこれも、友人が、会うたびに「いいよいいよいいよ絶対に気に入るから行くべきだよ」と囁くからいけないのだ。ここ数年、気になってしかたなかったあの島は、ここからなら、そう遠くはない。



島が私の場所かどうかはまだ分からない。が、でも、アラスカのすぐ南にあるその島には、何かがある気がするのだ。早いところ、魔法の力を取り戻さなくては。


というわけで、急遽、明日の夜、カナディアンロッキーから次の場所へ旅立ちます。

カナディアンロッキーの秘湯を探せ



青空高く、雲ひとつない、本日の日曜日。
気温27度。暑い。

先日のバックパッキングですっかりファンになったKananaskisエリアに再び出向く。目的は、山の奥の温泉。1分間に50L,33度の温度で湧き出ているという。

「藪こぎをし、青い松ぼっくり林を越え、高山植物咲き乱れるメドウを登り、峠を越し、谷を降り、そしてさらに登ったところにある」という情報だけを元に、歩く、歩く、歩く。






道なき道をゆくのに、ふくらはぎと腕に、ひっかき傷、3つほど。
おお、あった、あった。




入ってきたよー。

先入観

松ぼっくりは茶色だ、と決めつけてはいけない。



このブログ、1月に引っ越ししてから、昨日で1万ビュー超しました。
世界のどこかで、細く、でも、つながってくれているあなたに、ありがとう。

2008-07-20

雪の下から瑞々しく力強く

Western Anemone, Kananaskis, AB, Canada

今年は例年になく、雪解けが遅いのだそうだ。7月半ばの今も、2000mを超す場所では、ところどころ、スノーパッチが残っている。

で、雪の下で太陽との出会いを我慢強く待っているのが、ウエスタン・アネモネ。ホヤホヤと産毛に包まれた瑞々しいBabyアネモネは、・・・それはまるで日本の春山で、フキノトウに出会ったときのような、季節の変化と生命の力強さを感じさせる、春の花。


産まれたてのBabyたちを踏まないように、そうっとそうっと、歩く。

5日間かけ、この山塊を一周

Mt.Putnik, 2940m / Kananaskis, AB, Canada

この岩山、このトレイル、気に入ったー。

カナディアンロッキー洗面所

▲Three isle Lake Camp Ground, Kananaskis, AB, Canada

ワイルドなバックパッキング旅の間だって、どんなに忙しい朝のひとときだって、顔は洗うし(石鹸は使わない)、髪も梳かす。毎朝の5分間、レディの嗜みを忘れてはいけませぬ。

で、顔を洗いにでかけた湖の、あまりの湖面の静けさに、手を入れてこの静けさを打ち破ってしまうのが躊躇われ、いつまでも洗顔できない朝なのだった。

宙に吊されたバックパック


カナディアンロッキーでのバックパッキング・キャンプといえば、やはり、クマ避けのこの景色。


行ってきたよ、5日間のバックパッキング。

カナナスキス、というこの地名は、カナディアンロッキーの中ではマイナーだろう。日本のガイドブックにはあまり紹介されていない。私も、恥ずかしながら、ここに来るまで知らなかった。だが、カルガリーからアクセスのしやすさもあり、地元の人には人気のある公園だ。国立公園ではなく州立公園のため、入園料がかからない、というのも人気のヒミツらしい。

そしてそして、このトレッキングといえば、

お決まりの氷河湖あり、
3000m近い岩山あり、
大陸分水嶺越えあり、
思わず「ドレミの歌」をハミングしてしまいそうな高山植物咲き乱れるメドウ・トレイルあり、
樹齢400年のイングルマン・スプルースと苔が鬱蒼と茂る深い森歩きあり、
角度45度あるんじゃないというガレ場あり、
5時間に渡る(・・・昨年のアラスカ以来の)Bushwhacking(藪漕ぎ)あり、
ほやほやのグリズリーの糞あり、木のひっかき傷もあり、
夜中テントの周囲をキュルルルルルゥゥゥゥと鳴きながら歩き回るコヨーテあり、
13時間の行動で疲れすぎて到着したキャンプ場でみたオレンジ色の満月あり、
天空を飛び回る白頭鷲あり、
誰もが一斉に黙って、ふとやってきた静寂で贅沢な時間もあり、

カナダ・ライフ2ヶ月にして、正直初めて、ああ、これがカナディアンロッキーなんだな、と思わせる、素敵な時間だった。 何もなく、でも全てが揃った時間だった。


Kananaskis Highlands Backpacking trip

公式リポート(所属会社の山行記録ブログ)

●Kananaskisはここ

大きな地図で見る



●そして私、つかの間の休息中。


 

2008-07-14

祝・北極圏、再び


速報!
9月の北極圏行き決定。
そして、追加でまだまだ募集です。



地球探検隊 大人の修学旅行シリーズ
「秋のユーコン(山) 紅葉の原野キャンプの旅」
~ 極北ユーコンの秋ツンドラの紅葉をゆく チュームストーン州立公園、北極圏、オーロラ ~

2008年8月30日(土)~9月6日(土) 8日間

詳細: http://www.expl.co.jp/shugaku/kikaku/08/yxy_m/index.html



おまけ速報!
ユーコンを愛する友人が、釧路NHKで写真展開催中。明日まで。

http://naturayukon.blog53.fc2.com/blog-entry-242.html



そして現在、部屋散らかしてパッキング中。
あと7時間後に出発、4泊のバックパッキング・トリップのガイド。お客さんは、カナダ人、イギリス人、日本人。一緒に働くシニアガイドはカナダ人。インターナショナルなメンバーで、楽しい旅となりそうです。

そう、これがやりたかったのではるばるカナダまで来たのだよなあ。

2008-07-12

車がやってきた


車、といっても地球に優しい動力の二輪車だけど。今後のカナディアンロッキーライフにとって、力強い助っ人には違いない。

バンフから20キロ走って家に帰る私を見かねた友人が気前よく貸してくれた。ロッキーにいる間中、使っていいよ、と。


ああ、持つべきものは、(心優しい)友達だ。

台風一過の秋の空、のような

Three Sisters, Canmore AB Canada


激しい雷雨が一晩続いた昨晩だったが、朝は眩しい太陽光線で目が覚める。窓の外を見れば山頂が白く化粧直していて(・・・もう7月中旬なのに!)、まあ、この爽やかな朝の匂いと言ったら、シアワセ度120%だ。

もしかして、ジメジメと湿度200%梅雨まっただ中にいる人には、この気分は伝わりにくいと思うので・・・


「台風一過の10月10日体育の日の朝。運動会気分ぐぐっと盛り上がる」
ってな空気の透明感、なのだよ。(自慢)

Bear 71 returns


日々、裏山トレイルのジョギングに欠かせないのは、キャラメルでも水でもタオルでもなく、ベアスプレー。何がなくてもベアスプレー。3000円相当の、命のお守り。


地元の新聞は、毎回毎回、
「どこそこで熊の親子が出た」「クーガー注意」
と、平和なんだか危険なんだかわかんない記事で埋まっている。まさに、クマと共生をはかる町、Canmore。


Bear 71。

町に近い場所にテリトリーを持つクマは、それぞれ番号をつけられ、監視されている。「プーさん」やら「太郎くん」やら名前にせずに、番号をつけるのは、「野生であることを尊重するため」、だそうだ。が、番号をつけ遠巻きに見守っている時点で、すでに人間が管理している気がしなくもない。

アラスカやユーコンの野放しで荒々しい自然に比べると、ここは箱庭のよう。ギリギリのラインで、人間と野生とが共存しようと試みている印象を受ける。

早起きの理由

どうも最近、コロコロとした朝露から目が離せず、早起きせざるを得ないのです。

2008-07-10

Ms.Jenのシナモンロール


北の旅は、
そこを愛する地元の人々との出会いと触れ合いが面白い旅でもある。

というわけで、ユーコン北極圏へ私たちを導いてくれる、この、タフ・ウーマン、Jenのことについて触れておかなくては。



カンタンに「ユーコン北極圏」と言うけれど、北極圏まで延びるデンプスター・ハイウェイDempster HWYは、いつパンクするかもしれないひどい砂利道が数百キロ続く道で、「ちょっとハイキング」と言うけれど、すぐ横で自然界の王者、巨漢グリズリーベアが闊歩する場所で、「キャンプを5日間」と言うけれど、いったんホワイトホースの街を出れば、追加で買い出しなどできないような場所で・・・、

そう、つまり、旅の部類としては、けっこう、ハードコアな場所なのだ。


そこを一緒に旅してくれる力強い助っ人(ツアーリーダー)が、この女性、Jen。 毎年、夏はユーコンで、冬はオセアニアで、と渡り鳥のように地球を飛びまわりながら、野外学校(NOLS)で、カヌーやバックパッキングなどのインストラクターをしている彼女。女性でも、体躯が小さくて華奢でも、この地で生きる人に特有の、「何でも自分でできる」強さを持っている。

NOLSのコースは私も昨年取ったばかりだったので、「NOLS式にさ、ここの自然を味わってもらおうよ」と二人で意気投合し、夕焼け見ながら自然賛歌の詩を朗読してみたり、朝、瞑想の時間とともにスタートしたりしていたのだが、

そして、忘れられないのが、この、「こんな山奥なのに焼きたてシナモンロール」。小麦粉とイースト菌を持って行き、Jenの体温で一晩すくすくと育ったパン生地を、朝焼けの山の上で焼き上げた。(但し、ちょっと混じった砂利は、山のスパイスとして無視。)ゆったりしたブランチを味わったあの朝は、ちょっと格別な時間なのだった。(そして、その後、参加者の数人が、パン教室に通っていることを私は知っている。ついでに、東京の家でこのシナモンロールをつくっても、何故か余り美味しくない事実も、私は知っている)

旅がメンバーによって左右されるとすれば、ユーコン企画は、川も山も、北の大地に根付いて生きる現地の人たちとの強烈な出会いを、約束します。



(そんな彼女は、実はハロー・キティの大ファン・・・ツアー終盤、その事実を恥ずかしそうに告白していた。「キティの誕生日は11月1日なのよ・・・」、とまで、ね。)



「地球探検隊」
秋のユーコン北極圏の旅  8月30日出発
航空券手配キビシイため、第一次締め切りがすぐそこに迫ってます
http://www.expl.co.jp/shugaku/kikaku/08/yxy_m/index.html

2008-07-09

水玉、整列!

@ Mount Assiniboine Prov. Park, BC, Canada


夜露が行儀良く。
早起きした者だけが出会える光景。




迷いが生じたときに話せる友人がいるというのは、幸せのひとつです。
違う人から、同じことば、の偶然。
「Follow your heart.」
「心に導かれる決断を」

青の饗宴

Cerulean Lake @ Mount Assiniboine Prov. Park, BC, Canada


湖の青さがグラデーション。

「神」も「美しさ」も、細部に宿る、のだ、きっと。

完璧なハート

Alpine Cinquefoil @ Mount Assiniboine Prov. Park, BC, Canada

この世の美しい形というのは、人間がつくりだしたんじゃない。もとから自然界に存在するんだ、なあ。


(そしてついでに、この1ヶ月でずいぶんと花の名前を覚えている自分に、パチパチ拍手!!・・・1ヶ月前、知っている花といえばタンポポとサクラとバラのみ。ハハハ)

土の住人

Columbian Ground Squirrel @ Spray Valley Prov. Park, AB, Canada

君は、何を想う?

2008-07-07

ワタリガラスの物語

短い夏を味わいつくすため、最近の話題は、どうも外遊びの話ばかりが続く。・・・が、ここは、自然と生活が一体化している場所なので、自然の声をもっと詳細に聞けるよう、地味に本を読む時間も、忘れずにつくっていきたい。


カナディアンロッキーの大御所、Ben Gaddが書いた、「Raven's End」は、人格もったワタリガラスが、この場所を生きる物語。細かな描写に惚れ惚れしてしまう。

彼のように、「美しい」「きれい」「素晴らしい」という直接的な単語を使わずに、この場所を目にしていない人に、この場所の「美しさ」を届けるには、背後の事実をよく知り、愛情を持って見つめる、ってことなのかなー。





Revenのコリン君「こんにちは。ぼくは、きみが何者なのか知りたいんだけど・・・」
Pika 「ぼくはピカ。野ウサギの親戚のようなものです」
R「きみの名前は?」
P「オコトナ。すべてのピカが、オコトナと名のっている。ピカは、個々の名前を持つほど、長く生きないんだ。恐ろしくはないよ。それが世界の法則だから」
R「きみは死んだ後のことを心配したことはないのかい?」
P「私が死んだ後でも、たくさんのピカがまだ生きている。ピカネス・・・ピカの本質は続いていく。私たちはみんな本当に同じ。
R「「ピカネス」がきみにとって一番大切なことなんだね?君自身の生活よりも?」
P「その通り。私たちの誰かが死んでも、ピカネスは続いていく」



季節は春まっさかり、夏に向かってまっしぐら。甘い樹液が茂みや樹木から流れはじめ、アスペンの芽はポンとはじけて開き、葉は大きく広がった。ぼんやりとしていた針葉樹の針のような葉は、濃い緑になった。



太陽の周期は、夏至に向かって早まっていた。夜明けは早くなり、太陽ははるか北から昇るようになった。太陽は毎日、空の南半分に高く弧を描き、毎晩、長い時間をかけて、西の水平線に到着した。そして緩い角度で、カナディアンロッキーの、波のような尾根をかすめて、世界の端に向かって滑り降り、山の海の中に消えた。







日本語版もあるよ

表山はもっと恐るべし



裏山恐るべし」の話は先日書いたが、この街のシンボル・・・表山といえば、Three Sisters、で、中でも一番高い「姉さん山 Big Sister 2936m」の頂上に立ちたいのだった。




が、姉さんは、そんなに優しくなく、2500mにて敗退す。

「ロッキー」とは、つまり岩




我が家から、小川沿いを上流に歩くこと15分の場所にそびえ立つ・・・石灰岩のカタマリが気になっていたのだが、






知人の手を借りて、ようやく登ることができました。クライミングシューズ持ってきてよかった。



ロッククライミングは、いつまで経ってもどうにもセンスないのだが、それでも、この「ロッキー」と名のついたこの場所を味わうためには、外せない遊びのひとつ。





Cougar Canyon, Canmore, AB Canada
http://www.rockclimbing.com/routes/North_America/Canada/Alberta/Canmore/Cougar_Canyon/

2008-07-06

車がないなら走ればいいさ


だいたい、北米という場所は、車を持たない人間のことを、これっぽちも考えてくれていない。(または、東京という街の公共交通手段の発達ぶりに拍手。)おかげで、20キロ離れた隣町のバンフに行くのも一苦労させられる。公共のバスは、グレイハウンドが1日4便(よく遅れる)、10ドル弱。高いし不便だぞ。


だが、私には「美しい脛ですね」「素晴らしい足の指だ」と、通りがかりの人に褒められた足があるのだ。

ようやく自分の時間を持てるようになった今日、以前から気になっていたMTB用のフラットなシングルトラック・森の道を、20キロ、2時間20分かけて走って帰ってみる。久々のランラン・トレイルランニング。
地図を広げれば、トレイルは、こっちにも、あっちにも。しかも標高1400m、と、ちょうど良い負荷。そう、気づいてみれば、この地は、トレルランニング天国だった。ばんざーい。

上を向いて歩こう

Mount Assiniboine Prov. Park, BC, Canada

ようやく、ここにも夏の空がやってきた。

2008-07-05

コミュニケーション

Columbian Ground Squirrel @ Spray Valley Prov. Park, AB, Canada

この地域では、どこでも簡単に見かける地リス。ヤツラは地中に巨大アパートをつくって、集団生活をしている。モグラみたいだ。で、たいてい、玄関には見張りがいて、背伸びしながら遠くを伺っているのだが、近づくと、キィーーーーッ、と高い声を張り上げて、敵の襲来を仲間に知らせ、スバヤク家の中へ入ってしまう。

・・・はずなのだが、

最近、ようやく森の人となりつつある私は、周囲に誰もいなければ、文明くさい人間の気配を消すことができる。本当だ。そうっとそうっと、ゆっくりと会話していけば、相手は警戒音出すこともなく、逃げることもなく、興味深そうに、じっと見つめ返してくれる。コツは、シャカシャカと急がずに、時間をかけて、その森に馴染むこと。

動物との意思疎通は、絶対にできるよな、と思う、本日の1枚。

3618

The Nublet, Mount Assiniboine Prov. Park, BC, Canada

標高3618m、形麗しいアシニボイン山の麓は、どこを切っても、絵はがきの世界だった。

感想と詳細は明日以降にして、まずは、2泊3日のバックパッキングより、無事帰還のご報告。

2008-07-02

恋心募る

Mt. Logan (5995m)を背景にごきげんに散歩 2006.8 / photo by Tetsuo Kogai



2年前の「氷河1週間閉じこめられキャンプ」が、こんなところで公開されていた →  http://www.icefields.org/Glacier%20Camp.html



はぁ~。
極北の大地は、やっぱり、私にとっては、とてもとても特別な、大切な場所なのだなあ。あの地で過ごした時間は、人生の割合からしたら、ほんのわずかではあるけれど、その一瞬一瞬に想いを馳せる度に、胸の奥がギューっと苦しくなるほどに幸福感に包まれる。これは、そう、恋だ、恋。

周囲で一緒に笑っていた仲間たち、その場所で聴いていた音、かいでいた匂い、見ていた景色、すべてが、脳裏で色鮮やかに再現できるのだ。幸せな気分に、そして同時に、切なくなるような記憶の数々。



これからも、あの時間を、瞬間を求めて旅し続けるだろうし、単なる「行ってきました。楽しかったよ観光旅行」じゃなくて、その人のその後の人生を豊かするような、特別な時間や場所になるような、「心揺さぶられる旅」に携わっていきたいのだ・・・、という軸を忘れないようにしないと!

と、先日送られてきたこの写真をみて、再確認したのでした。

テツ兄さん、ありがとう~
→ユーコン愛好会会員・私が目標とする「子供がグレードアップした大人」(by田口ランディ)・フォトグラファー・テツ兄さんのユーコンブログは http://gaiko.blogspot.com/  。プロの写真はさすがです。





ついでに、地味すぎて反応薄いようですが、秋のユーコン北極圏の大地は、間違いなく、何かを感じられる場所なので・・・、最後のご案内です。 万人向けではないけれど、たとえば、映画、「地球交響曲」を眠らずに前のめりになって鑑賞してしまえるような人には・・・、きっと味わい深い場所となるはずです。

「地球探検隊」秋のユーコン北極圏の旅
8月30日出発
http://www.expl.co.jp/shugaku/kikaku/08/yxy_m/index.html




明日から、ここ数年念願の、「ボインボイン・アシニボイン」の麓でキャンプ!!早く寝よう。

141歳おめでとう


7月1日。
カナダ建国記念日の今日、町中がお祭りモードで、メープルの旗と赤色で溢れていた。

午後10時。涼しい夜風に吹かれながら、まだ闇にはなりきれない夜一歩手前の濃紺の空の下、ランドル山のシルエットを背景にした花火を見ていたら、日本の蒸し暑い夏の夜(、とビールと焼きそば)が、ちょっぴり恋しくなった。

2008-07-01

ローカルの休日

@Spray Valley PP, AB, Canada


街から砂利道を車で20分、の人気ない湖で、釣りとかキャンプとか。日常生活にこの景色。ああ。

補色


Emerald Lake , Yoho NP, Canada

カナディアンカヌーは、やっぱり、赤に限るよね。



ここカナディアンロッキーは、地球の歴史を感じさせる場所だ。この写真を撮ったヨーホー国立公園の地層は、生命体大爆発の時期のもので、大変貴重なものなのだそうだ。5億年前。へぇ。

以前、グランドキャニオンにいくたびに、「ここは地球20億年前の地層なんだよ」と得意げにしゃべっていたが、だいたい、30数年しか生きていない私に、20億、5億、という数字は、実感わくわけがない。知ったふりをして、ただ数字を並べていただけだ。

というわけで、地球の歴史46億年を、1年に短縮して計算してみます。

1月1日   地球誕生
2月17日  生命誕生
5月31日  光合成をする生物誕生
10月31日 多細胞生物誕生
11月23日 魚類誕生
12月31日 23時37分 人類誕生
12月31日 23時58分52秒 日本誕生

へぇ。
ちなみに、100年は0.7秒だそうで、大晦日除夜の鐘を聞きつつ蕎麦をすすりながら、0.00(--この間0たくさん--)0000001秒の世界をセカセカ生きている私は、それでも、山を、U字谷を、氷河を、森を見ながら、地球の1年に想いを馳せてみるこの頃なのだ。


興味もった人は、下の本読むか、カナディアンロッキーを自分の目で見るべし。