Getting Glacier Ice from Holgate Glacier @Kenai Fjords NP, Alaska
だいたいが、アラスカの風景の美しさというものは、人を柄にもなく謙虚にさせ、何だか崇高な気持ちになってくる。ああ、もしかしたら神様っているのかなあ、これからは、小さなことにくよくよせず、もっと大きな気持ちで、毎日を生きていこう・・・なんて一人瞑想にふけってしまったりする。
が、
即物的な楽しみも、忘れちゃいけない。
即物的な楽しみも、忘れちゃいけない。
だからこそ、初日も関わらず、目的が共有されたからこその見事なチームワークが結成され、危険を顧みず(←大げさ)氷河のカケラ捕獲作戦が実行に移されたのだ。
慣れないパドルワークで、氷に近づく。これまた慣れない水面で、ぐらぐら揺れるカヤックを必死で操って、氷河から生み落とされたカケラをパドルの先で捕獲。水面に出ている部分は10%くらいだから、小さくみえても意外と大きなこの氷塊は、なかなかカヤックの上には持ち上がらず、手からするりと逃げていく。
遠くで、ガイドの「ああ、そんな大きなやつは危ないからダメだー。」と声が聞こえるが、そんな注意はいちいち聞いていられない。数十分の悪戦苦闘ののち、どうにかこうにか、小さな氷塊をカヤックのデッキに括り付け、キャンプ場へ戻る。
「アイスピックが持ち物リストに書いてなかった!」と、まさかのクレームをうけつつ、何とかグラスに入るまでに細かく砕いた氷に、スワードの街で仕入れてきた、12年物Macallanを注ぎ込む。
午後8時の(北の地だから)遅い夕陽のやわらかな光線を受け、琥珀色に輝く液体。向こうには、この氷が生み落とされた氷河が背景として存在し、
パチパチ
ピチピチ
と、氷の気泡がはじける音を聞きながら、
ああ、この一杯って、帝国ホテルのバーだって足下にも及ばないんじゃない?、と、 多分、世界でもこの上なく贅沢なシチュエーションのもと、満足げにウイスキーをいただく私たちなのだった。
1 comment:
贅沢な良い時間が過ごせましたね~。;-)
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