Holgate Arm Camp Ground @Kenai Fjords NP, Alaska
夜10時半。北の夏には、闇がない。ヘットライトはいらない、ぼんやりとしたやわらかな明かりの下、2本目のビールを空けながら、明日の計画を再確認する。
それにしても、アラスカの有名な地ビール、Alaskan Amber Paleの瓶に描かれたイラストそのまんまの世界じゃないかここは、と、今いる場所を認識するたびに、つい顔がにやけてしまうこのベースキャンプで、
断続的に耳に入ってくるのは、雷の音だった。
Alaskan Thunder。
地元の人は、氷河が崩れ落ちるときの音を、「アラスカの雷」と呼ぶ。
ベースとしたキャンプ場は、フィヨルド最深部に位置していて、(だからこそ、海面は驚くほどの静けさで、まったくの初心者でも漕げるのだが、)出会いたい出会いたいと願っていたクジラは、この奥深いキャンプ場までは、入り込んでこれなかったようだ。「鯨の唄を聞きながら眠る」夢は、今回の旅では叶わなかったが、
かわりに、テントのなかで子守歌にしていたのは、Alaskan Thunder。
少し刺激のある、子守歌。
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